<研究成果報告書>


要約

 どのような性質が協働する場にあれば、参加が促進するのかを明らかにする。事例研究より、協働する場の類型ごとに参加を促進させる要因、阻害させる要因を明らかにし(目的1)、特に阻害させる要因を乗り越える方法を明らかにする(目的2)。 最終的には、協働する場の類型(ビジネス型、NPO型、ボランティア型)ごとに、個人の参加をより効果的に促進させるモデルを示唆したい(目的3)。

事例として、セミナー企画会社と企業技術者が協働して企画・開催している技術教育セミナーを選定し、理論的枠組みとして普及理論(Rogers等)を援用する。


研究背景

企業間で競合関係のある状況であるために、協働する場に参加すればよいにも関わらず、協働する場に参加しないがために、無駄や問題がおきる事例がある。一方、企業間で競合関係のある状況においても、企業同士が協働する場に参加している事例がある。

そこで、本研究では後者として選定した事例の研究を通して、協働する場への参加を促進させる要因としての、金銭獲得要因+αの要因を探る。


先行研究

イノベーションの普及研究にはイノベーションの普及過程と採用過程の2つの研究系譜がある(青池2007)。

【普及過程】:「知覚されたイノベーションの属性」→「社会システムにおけるイノベーションの採用速度」Rogers

【採用過程】:「知覚されたイノベーションの属性」→「個人によるイノベーションの採用傾向」Ostlund1974


舞台設定


最初に研究する事例、A社について



 ●協働する場の普及に成功しているが、他の事例より困難な状況(インタビュー調査により)

    1. 講演することで講演料が支払われているが、講演するために必要な労力(社内申請、講演資料の作成など)・時間的拘束を比較すると、妥当と思われていない=金銭が参加要因として小さい。

    2. 企業レベルでは競合する他社にとって有利となる実務ノウハウを提供している。


RQ1:セミナーのもつどのような属性が、技術者の講演への意思決定に影響しているのか?

【普及過程】:「知覚されたイノベーションの属性」→「社会システムにおけるイノベーションの採用速度」(Rogers

【採用過程】:「知覚されたイノベーションの属性」→「個人によるイノベーションの採用傾向」(Ostlund1974

・仮説と対抗仮説群

・仮設として考えている有意な参加促進要因群


RQ2: 教育セミナーへの協力を阻害する要因を乗り越える方法は何か?

→RQ1を明らかにした後に取り組む。

RQ3: 事例研究から協働する場の類型ごとに、どのような提案ができるか

→RQ1、RQ2を明らかにした後に取り組む。

研究方法


今後の予定

    1. 3月中に、A社で講演した講師を対象にパイロット調査(アンケート)実施

    2. 普及理論の先行研究探し


以 上