2008年度森基金報告
小泉総理の靖国参拝と意見風土の変化 - 内容分析からのアプローチ
政策・メディア研究科修士課程2年 (PS) 韓暁光
研究概要:
本調査の目的は新聞の内容分析を用いて、小泉元総理の在任期間中における元総理の靖国神社参拝に対する新聞と社会的風土の変化と相関を明示することである。筆者の卒論に基づいてデータを追加したものでもある。
内容分析:
新聞の内容分析は以下のような手順で行われた。すべてのコーディング(データ化)作業は3名のコーダーによって行われた。
調査範囲:
今回は朝日新聞と読売新聞を対象とした。
2003年12月〜2005年9月に出版された両新聞朝夕刊の一面と政治面から元総理の靖国神社参拝に絡むテキストを抽出したところ、合計902単位のテキストがあった。
マスコミの論調:(2004年第24回参院選前後)
マスコミにおいて小泉元総理の政治手法について批判的な論調がエスカレート
朝日:6月16日「人生いろいろ」発言問題について、17日小泉首相の「強引」的な政治手法について、7月9日メディアを利用した小泉首相の政治手法について
読売:「首相は予想外の行動や人事で人気を集める」「サブライズ政治」「ポピュリズム的手法の限界も見え始めている」
参拝について以下のような意見を表明している。
世論:
内閣支持率が参議院選を控えて50%台à40%台à30%台と下がるものの、靖国参拝に関して世論が割れていたことがわかった。
政界:
元総理の自らを擁護する言動が目立ち、また数が少ないながら野党からの反発も報道されていた。
靖国参拝に関する社会風土の提示:
以下は靖国参拝に関する社会風土を新聞内容分析によって提示したものである。
内容分析を一種の社会調査法として今回の調査に当てたが、様々な問題が存在している事についてわかった。今後改善して行きたい。