2008年度森泰吉郎記念研究振興基金「研究育成費」報告書


・採択研究名

生物の群動をシミュレートする実空間デバイスの制作支援環境の研究・開発



・研究内容

1 概要

本研究の目的は、蛍の発光同期等の生物の群動をシミュレートする実空間デバイスをユーザーが複雑な
開発環境の構築や難解なハードウェア・ソフトウェアの設計をすることなく容易に、制作できる環境の開発・研究を
していくことにある。
ユーザーが、自然現象へのより深い理解を促すツールとしての役割とともに、自然現象をデザインに落とし
込む際のプロトライプ支援の新たな可能性として社会に貢献していくことを研究のゴールとする。


・成果

今年度は、生物の群動モデルを利用したアプリケーションを開発・制作することにより、生物の群動モデルのデザインへの応用可能性を検証した。
今年度開発はしたアプリケーションは蛍の発光同期を現象のモデルを参照した、サウンドデザインデバイスを研究・開発した。
蛍の群れが徐々に発光のタイミングを収束させるように、当初バラバラのリズムで繰り返されているリズムがJAZZバンドの即興演奏やDJの演奏のように少しずつ
お互いのリズムを収束させていき、ユーザーはその収束のプロセスの中から人間の手では演奏不可能な有機的な音のシークエンスを発見することができる。

以下に、開発したアプリケーションの成果を掲載する。

1 学内発表

小林ビルにおける企画展示「cafe with nature」

 
展示した研究成果物

2 学外発表

インタラクション2009(ポスター発表)採択

論文(PDF)
デモムービー


SIGGRAPH 2009(BIOLOGIC ART)投稿

 

デモムービー


・展望

センサ処理の精度を向上させる。
さらに、表現力に富んだ出音にすべく出音システムの改良・デバイスの増産も共に行っていく、
また、国際学会への投稿・発表を行ってく。


大学院政策・メディア科 修士課程1年 石塚賢