森泰吉郎記念研究振興基金(研究者育成費) 2008年度報告書

吸収源CDMに向けた草地CO2吸収量推定方法の提案

 

研究代表者:政策・メディア研究科 大場章弘

 

要旨

 

2008年から2012年の京都議定書約束期間に向け,近年では多くの企業や団体がCDMプロジェクトに興を注ぎ,実運用を志向する傾向にある。これまで吸収源CDMCO2吸収量の算出対象は植林のみであったが,2013年からは農地も対象となる方針が決定され,さらに今後,草地も対象となっていくことが予測される.本研究はその動向から,草地におけるCO2吸収量を推定する方法を提案し,その検証を行う.草地は広大な土地を占めるが,地形などによって細かく変化する為,詳細だが広いスケールの画像データが必要となる.2006年から運用開始した高解像度衛星画像ALOSがこの需要に応えられる可能性が大きく,ALOSを用いてCO2の吸収量を推定するために,そのベースラインとなる情報として,草本バイオマス量をまず推定する必要がある.そこで本稿では,草地CDMプロジェクトが行われる際に対象地となる可能性の高い中国の乾燥地を対象とし,牧草生産力を算出する方法とその結果を報告する.本研究により草地がCDMの対象となる際の基盤になり,ALOSCDMに対する応用可能性といった成果が期待される.

 

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