2009年度 森泰吉郎記念研究振興基金 研究者育成費 研究成果報告書

電車内向け位置情報サービスのプラットフォームの研究

研究概要

 本研究は、電車内における位置情報サービスの構築を支援するプラットフォームを確立するすることを目的としている。GPS内蔵携帯電話の普及により、場所とユーザを関連付けたサービスは既に登場しているが、ユーザの環境を利用したものは少ない。

 鉄道による移動中については、ユーザの位置情報が常に鉄道路線という一定の軌跡を辿る特性を持つため、ユーザの移動を予測することや補正することができる。こうした特性をサービスの企画・開発に容易に導入することを実現する、アプリケーション基盤の構築を行った。

活動内容

 本研究では実際にサービスのプロトタイプ開発を行うことにより、プラットフォーム技術の要件定義というフィードバックを得ている。そのため、サービスの企画や開発、もしくはその支援活動を行い、同時にプラットフォームの構築を行った。以下にサービス例とプラットフォームに求められる機能を紹介する。

ニコニコ電車

 車窓を動画に見立て、電車の進行に応じて場所に対してコメントできるメディアである。複数のユーザ間でのコメント共有を行うため、電車の移動速度を考慮して、精度と応答速度が必要となった。

つぶやき電車

 ミニブログサービスにおいて、複数ユーザ間のリンクの生成に、電車という空間を利用するサービスである。同じ電車、前後の電車の投稿をまとめて表示する手法を提案し、複数ユーザ間での同行判定機能を開発した。

TrainSnap

 電車の走行区間に応じて、通り過ぎている街で撮影されたファッションスナップを表示することで、「ファッションの車窓」を演出するサービスである。走行区間の検出や、投稿写真の駅ごとの分類をプラットフォームで行う。

※ TrainSnapの企画・構築は総合政策学部山本義仁と環境情報学部小野里光希子が行っている。

活動発表

 本研究を通して以下の対外発表を行った。

 またORF2009において、「TrainSnap」のデモ発表を行った。
 

今後の予定

 引き続きアプリケーションの構築サイクルを継続すると共に、プラットフォームの仕様の決定し確立することを目指している。