時系列信号のフーリエ変換は式(4.1)で定義される。
式(4.2)~(4.4)に示した通り、STFTで使われる窓関数の幅(定義域)は固定値であり、どの周波数帯についても常に同じ分解能で解析を行うことになる。これを図4.3に表した。それぞれのグリッドが分解能の大きさに対応しており、全ての時間帯・周波数帯で同じ分解能を持つことを表している。この分解能は、原信号のナイキスト周波数・窓関数の幅()・適用した窓関数の個数によって決まる。STFTによる信号の切り出しと周波数解析の概略を図4.4に示す。なお、時間分解能と周波数分解能の積は常に一定であり、時間分解能を高くすると周波数分解能が、周波数分解能を高くすると時間分解能が低くなる。これをフーリエ変換の不確定性原理という。またSTFTでは、1度の解析で複数の分解能を使い分けることができないため、時間軸上での周波数の変動を捉えることは難しい。
root 2010-02-26