真隅絢子

政策・メディア研究科修士課程１年

81025392、masumi

2011年2月23日

2010年度　森泰吉郎記念研究振興基金「研究育成費」研究成果報告書

使用内訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

国外旅費

・福岡-ヒースロー（ロンドン）間渡航費　16万2995円（内9万5400円支給　）

使用報告　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

期間：2010年９月９日〜2010年９月18日

使用内容：イギリス、ロンドンにおける現地調査

今回の基金はロンドンへのフィールドワークの渡航費の一部として使用させていただいた。ロンドンにおける活動内容は以下の通りである。

· 研究者へのインタビュー（対面）　二名、（メール）　一名

· 現場の視察（博物館を含む）

■インタビュー報告

　予定していた警察関係者やテロリズムの専門家へのインタビューは、情勢も関係し、できなかったものの、2005年当時よりロンドンに在住している、情報通信政策の専門家の方二名に話を聞くことができた。（総合政策学部、土屋大洋先生の御紹介のもと）私の研究は、テロリズムと情報技術の関係性などをはかるものであることから、上記二名の方々に話を聞くことができたことは貴重な経験となった。実際の質問項目は以下の通りである。

（質問項目例：日本語訳）

＜テロリズムについて＞

· 英国における“テロリズム”の定義は何か

· “テロリズム”の定義について2005年以降とそれ以前では変化はあったか

· 実際に2005年のテロリズムを目の当たりにしてどのように感じたか

· “ホームグロウンテロリスト”を知っているか

· 英国の移民政策にはどのようなものがあるか

＜情報通信政策について＞

· 最近の英国の情報通信政策について教えて下さい（トレンドなどがあれば）

· 有害サイトへの人々のアクセスを防ぐためにどのような政策をとっているか

· サイバーテロリズムや犯罪への対策をとっているか

· 放送（ブロードキャスト）についての制限などはあるか

インタビューの相手がテロリズムの専門家ではなかったこともあり、質問としては表面的なものを選んだ。上記からいくつか質問を発展させ、それぞれ約1時間～1時間半のインタビューとなった。また同様にもう一名に（直接はお会いできなかったが）メールで質問を行い、回答をいただくことができた。

■現場視察報告

　ロンドン同時多発テロが起こったのが2005年ということで既に5年以上が経っているが、事件の現場が今どのような状態になっているのか、そもそもどのような場所で事件が起こったのかということを知るために訪問した。また調査の参考として、帝国戦争博物館とロンドン交通博物館の二つを訪問した。訪問地は以下の通りである。

· 帝国戦争博物館

· ロンドン交通博物館

· ロンドン　パディントン駅（パディントン－エッジウェアロード駅間）

· ロンドン　タビストックスクエア

· ロンドン　フィンズブリーパーク周辺

成果と感想　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　今回のフィールドワークに関する成果としては、修士論文の参考資料の調達ということが一番に挙げられる。私の研究テーマは一見するとフィールドワークの必要性がわかりにくい。しかし、事件の起こった場所や空間を知ること、また実際に現場にいた人々に話を聴くことは研究を、ただの既存資料の寄せ集めにしないためには非常に重要なことと考える。その点から今回のフィールドワーク、現地でのインタビューは非常に意義深いものとなった。今回残念だった点としては、より事件に近い方たちへのアポイントメントがとれなかった点である。次回赴く際には、日本におけるコネクション等も作った上で、再度彼らへのインタビューができるよう試みたい。

　フィールドワークもただ一度訪れるのみでは意味がない。そのため、今回初めての調査を足がかりに今年の夏に再度現地を訪問したいと考える。

　2010年度の研究活動および研究成果は、基金創設者である森泰吉郎様と基金を運用していただいた慶應義塾大学湘南キャンパス研究支援センター様のおかげです。誠にありがとうございました。