2010年度 森泰吉郎記念研究振興基金 研究助成金報告書

「研究者育成費 修士課程」

 

 

研究課題名

米国の「核兵器のない世界」議論における考察

研究代表者氏名

松田 怜子

所属・学年

政策・メディア研究科 修士課程 2

 

 

研究課題

アメリカにおける核政策を「核兵器のない世界」という観点から考察し、「核兵器のない世界」に向けた議論の浮上プロセスを解明する。その際、「核兵器のない世界」というタイトルの小論文をウォール・ストリート・ジャーナル紙に連名で執筆・寄稿し、「核兵器のない世界」議論の先駆けとなった4人の著者(キッシンジャー、ナン、ペリー、シュルツ)、及びその4人の融合に着目する。そのうえで、オバマ政権の掲げる「核兵器のない世界」にむけたグローバルな軍縮について、とりわけ米国内における軍縮派・抑止派が「核兵器のない世界」というアジェンダに収斂されていく政策過程を明らかにする。

研究経費
千円未満の端数は切り捨て

研究経費合計

(千円)

使用内訳(千円)

国外旅費

国内旅費

機器備品費

消耗品費

謝  金

その他

86

86

0

0

0

0

0

国外旅費                                                                          (千円)

事   項 (行き先等)

金  額

出張者

出張時期

【聞き取り調査費用】

交通費往復分:成田空港(日本)〜サンフランシスコ国際空港(アメリカ・サンフランシスコ)

 

80

 

松田

 

 

1117日〜

1125

80

 

 

 

 

研究成果

検証方法としては、@時代的背景の変遷、A連名で社説を書いた4人の専門家らそれぞれの背景と社説ができるに至る4人の融合プロセス、Bオバマ大統領がプラハ演説に至るまでに辿った具体的段階という3段階に分けて検証した。研究成果としては、@非国家主体と「ならず者国家」の台頭により、脅威の変遷があったこと。Aその脅威の変遷に応じて4人各々の核兵器の役割における認識が変化し、社説に至るには、物理学者であるシドニー・ドレル博士とジェームス・グッドビーという人物が中心に動いたこと。B08年大統領選挙は「核兵器のない世界」という主張を政策に吸収させる良い機会となったことが明らかになった。

以上の成果を得るにあたり、スタンフォード大学フーバー研究所の研究員の方々にインタビューさせて頂き、ご協力頂いた。