森基金

研究成果報告書（2010年度）

 

政策・メディア研究科2年　小林博人研究室

��木沙織　80924883

ログイン名：stakagi4

 

 

研究テーマ：

多民族の混在とその活動を許容する空間の仕組みに関する研究

−クアラルンプールにおけるショップハウスと周辺の通りを対象として−

 

本研究はマレーシア、クアラルンプールのショップハウスとその周辺の通りで行われる多様な活動がどのような空間の仕組みの中で起こり、多民族の混在を支えているのかを明らかにすることを目的としている。マレーシアの多民族の混在と共存の意識や仕組みと空間の特性を探ることで国際化が進む他の都市においても多民族の混在やその活動を許容する社会の仕組みとしての一つの示唆を与えると考える。

　マレーシアの都市形成の骨格に大きな役割を果たし、現在でも多目的に利用されているショップハウスに着目した。ショップハスと周辺の通りを地区レベル、建築・街路レベルのスケール別に分け調査、分析を行った。地区レベルでは地区形成の歴史から民族による住み分けや空間の使い分けの特性と現状を明らかにし、建築・街路レベルではその空間の構成要素や各活動、民族による習慣と運用上の要素を明らかにする。また日常と非日常に行われる活動に分けて分析し、それらの活動の特性と混在の起こり方の違いを観察した。

　多民族の多様な活動による『混在』を二つの枠組みで捉えることができた。

�@　同じ場所を共有し、違う時間に活動する空間共有型混在

�A　同じ時間に違う場所で活動する時間共有型混在

である。混在の起こる活動によって人々が集合と分散する現象がみられた。またショップハウスの開くことと閉じることのできる通り抜け空間の有用性を見ることができた。これらの現象と空間の使われ方が多民族の活動がどう関連し、許容されているのか修士論文を通し、明らかにした。