2010年度 森基金研究成果報告書

慶應義塾大学 政策・メディア研究科2年
鬼久保綾子 80925888
onikubo(a)sfc.keio.ac.jp

「皮膚感覚に注目したリラクゼーション装置の開発」

1.概要

ストレス社会と言われる現代、様々な精神的に問題を抱えている人が増加しつつある。
解決策として精神を安定させる方法が提案されてきた。最近の研究で皮膚の働きにはス
トレス軽減や自我形成などの精神に影響を与えていると言われており、適度な皮膚への
刺激は精神安定へ繋がると指摘されている。さらに布が皮膚へ触れる時の皮膚刺激にも、
情緒安定やストレス軽減の効果があるとされている。そこで本研究では布に触れる時の
触覚が人に与える影響を検証し、布を使った新しい情緒安定化方法を提案することを目
的にする。



2.活動報告

大学院生ミーティングにて進歩状況の報告

・文献調査

 皮膚感覚/リラクゼーション/繊維、テキスタイルの風合い評価/スヌーズレン/

・活動1

 布に関するアンケートの実施
 日常の中で気になる布、場面のアンケートを7段階評価と記述を使用して行った。
 具体的には以下の項目についてアンケートを実施した

 結果
 各種類の布に触れる時に感じる情緒的変化の違いなどを深く探る事を目的にしたが、
 あまり多くの変化が見られず、触覚という原始的な感覚を言葉で表現してもらうことは
 難しく、欲しいデータは得られなかった。

・活動2

 布に触れた時に感じる触覚の表現の言葉の抽出
 7段階評価を使用し、布の風合いや布に触れた時に得られる気分の言葉を50個提示し、
 それぞれ5つの種類の違う布に触れてもらい、最も各布を表現している言葉を7段階で評
 価してもらった。


 現在データ処理中

3.今後の展開

•言葉の抽出
•シルバー精工ニット編機を使用し、全身の実験に使用するテキスタイルを作成する。自作することにより、編み構造を均一にし、糸の番手とテンションのみを変更する事が出来る。それにより、実験に用いる刺激を数値化することが可能になる
•全身の皮膚を使った布は皮膚へ触れた時の影響を探る実験
言葉/行動分析/布の特徴/感覚
を照合しながら分析してゆく