2010年度 森基金研究成果報告書

 

プレッシャー状況における眼球運動及び身体運動
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アメリカンフットボールにおけるランニングバックの11状況を例に-

 

政策・メディア研究科 修士課程1年 CB所属 

片山太智

学籍番号:81024422

taichi6sfc.keio.ac.jp

研究概要

本研究の主題は、スポーツにおけるプレッシャー状況下での眼球運動及び身体運動を測定することで、プレッシャー状況においても選手がベストなパフォーマンスを発揮するために求められるスキルを明らかにすることである。スポーツにおいて、プレッシャー状況で優れたパフォーマンスを発揮できる選手こそ、競技レベルの高い選手であると考える。プレッシャーとは優れたパフォーマンスもしくはパフォーマンス向上の重要性を高める因子であると定義され、これらの因子が存在する状況におけるパフォーマンス低下を「あがり」と定義されている(Baumeister,1984)。したがって、プレッシャーとは高いパフォーマンスを発揮しなければならないという心理的ストレッサーである(田中,2009)。本研究ではアメリカンフットボールにおけるランニングバック(RB:オフェンスポジションの一つ)11状況を実験課題とし、プレッシャー状況を設定して研究を行う。また、このようなプレッシャー状況を一般にストレス反応が表出される心理、生理、行動の3側面(Lang,1971)に生起させ、パフォーマンスへの影響を検討する。

 

活動報告

  実験1の実施
本学期は、以上の研究概要のもと、アメリカンフットボール特有の時間的・空間的シチュエーションをプレッシャー状況と設定し実験を行った。被験者は本塾体育会アメリカンフットボール部部員のRB選手7(熟練者3名、非熟練者4)で、 それぞれに眼球運動測定装置(EMR-9)を装着させ、眼球運動を測定した。また、外部から3台のカメラによって被験者のパフォーマンスを撮影することで、身体運動測定及び行動分析を行った。現在、解析を行っている。

  NASPSPA2011への応募と通過(20116月発表予定)

  先行研究調査

 

参考文献

Baumeister,R. F. (1984) Choking under pressure: Self-consciousness and paradoxical effects of incentives on skillful performance. Journal of Personality and Social Psychology, 46: 610-620
Lang, P. J. (1971) The application of psychotherapy and behavior modification. In: Bergin, A. and Garfield, S. (Eds.) Handbook of Psychotherapy and Behavior Change. John Wiley: New York, pp. 75-125
田中美吏・瓜本健助・村山孝之・関矢寛史 (2009) プレッシャーが全身協応運動に及ぼす影響. スポーツ心理学研究, 36 (2) 103-104