2012229

 

2011年度 森泰吉郎記念研究振興基金 研究成果報告書

研究課題名:外国語学習におけるノンバーバルコミュニケーション習得支援環境の構築

 

政策・メディア研究科 修士課程1年(HC

米持 愛未

 

研究内容

本研究は、外国語学習において、これまでの教室内学習カリキュラムでは実現されてこなかった「ノンバーバルコミュニケーション」の習得を支援するための環境構築を目的とする。本研究では、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)でのドイツ語学習に焦点を当て、ドイツ語科目の履修者を対象に、ジェスチャー等のノンバーバル行動をテーマとした自律学習教材を開発する。そのために、@ドイツ国内におけるドイツ語母語話者との接触シチュエーション、およびその場に発生するノンバーバルコミュニケーション要素の調査、A教材の開発(ドイツでの映像撮影・編集、データベース構築、ウェブサイト作成)、BSFCの学生を対象とした教材の評価、以上の3段階を行う。

 

研究成果

 今年度は上記@ドイツ語接触場面の調査を行った。

まずプレ調査として、2011年度ドイツ語夏季海外研修に参加した学生の海外研修参加記録日誌「d-map blog」の分析および参加者の中から2人にインタビューを行なった。ここから、1ヵ月という短い期間において、語学コースという限られた環境では、ドイツ語母語話者との接触場面は少ないことが分かった。ドイツ語利用場面は、同じコースに参加している非母語話者に対するものが多く、また全体として英語や日本語の使用率が高いことが明らかになった。これは、ドイツ語インテンシブ終了時のドイツ語能力レベルがA2程度であり、またクラスメイトも同レベルであることから、日常会話において表現につまる場面がまだ多く、代わりに世界共通言語である英語を使用する機会があるからではないかと考えられる。

以上の結果から、調査対象を交換留学生へと移すことにした。現在、20119月よりドイツ語圏に交換留学をしている学生11名(SFC5名を含む)に対して、質問紙およびインタビュー調査を行っている。調査結果は2011年度春季フィールドワーク報告書としてまとめる。

 

今後の予定

 調査段階を今年度中に終了し、来学期からは教材の開発フェーズ移る。ドイツでの留学期間を利用し映像制作を行った後、ウェブサイトを構築する。日本に帰国後、教材の評価を行い、修士論文としてまとめる。