2011年度森基金 研究成果報告書

大腸菌における新規 small RNA の機能解析

政策・メディア研究科 修士課程1年
先端生命科学(BI)
村上 慎之介
Login ID: mushin
Student ID: 81125332


研究概要

近年,大腸菌は様々なストレスに応じてsmall RNA(sRNA)を発現することがわかってきた.sRNA は標的とするmRNAと塩基対を形成することで,標的mRNAの翻訳制御や安定性に関わっている.大腸菌をはじめとする多くのバクテリアで様々なsRNAの存在が確認されている一方で,その機能は未知であるものが多い.それは,これまで特定のRNAを精製して機能を調べる手法が確立していなかったことに由来すると考えられる.そこで,Srisawat と Engelke が2002年に発表したStreptavidinと結合するRNA配列(S1配列)を用いて,機能未知のsRNAの精製法を確立し,その機能を同定することを目指した.
本研究では新原温子氏(2010年度政策・メディア研究科修士課程卒)が2011年に発表した大腸菌における229種の新規sRNA(ref)を,機能同定の対象として扱った.これらは大腸菌細胞内での発現が観測されているものの,その機能は不明である.まずは229種の中から2種類のsRNAにS1配列を結合した塩基配列をクローニングし,精製実験を行った.これまでにこれらのsRNAの精製に成功しており,今後はこれらの標的mRNAや共役するタンパク質の同定を目指す.

※本報告書はweb公開であるため,論文発表前の具体的なデータを除いて作成した.


研究業績

  • 国際学会(口頭発表) 1件
    Identification and characterization of newly sRNAs in E. coli
    Satellite Mini-Symposium of RNA 2011 Kyoto
    (RNA Study Meeting・microRNA Research Network Japan)
    Kyoto (Japan), 2011.6.13

  • 国内学会(口頭発表) 1件
    大腸菌における新規small RNAの標的mRNA及び結合タンパク質の同定手法の開発
    新しいRNA/RNPを見つける会2011
    (新しいRNA/RNPを見つける会)
    沖縄, 2011.9.15-16