政策・メディア研究科修士課程1年 畝井 杏菜
学籍番号:81124234 ログイン名:annaunei

【研究テーマ】
対北朝鮮包容政策に向けた国内政治戦略

【研究課題】
本研究は朝鮮半島研究のなかでも南北関係に着目し、韓国国民が抱く民族意識を明らかにすることで、朝鮮半島問題解決への一助とするものである。ここでいう民族意識とは、敵対する南北間において、韓国国民が抱く対北朝鮮認識のことである。韓国はこれまで北朝鮮を「主敵」としてきたが、金大中の太陽政策により「統一に向けた同伴者」と認識を改めた。韓国の北朝鮮に向けた対外政策を行う上で、国民の支持は不可欠であり、正当性を持たねばならない。本研究では、政府は国民にどのようなアピールを行い、また国民もどのように認識を変化させたのかを明らかにする。現地において資料収集及びヒアリングを行う。

【活動概要】
A:韓国フィールドワーク(2011年8月)
 @江陵市、統一記念公園訪問
 A軍事境界線(DMZ)訪問
 B国会図書館、書店における資料収集
 C延世大学、金基正教授との研究相談
B:国内での資料収集、研究内容の改善

【活動詳細】
 6月頃に、研究テーマを変え、南北関係や対北朝鮮政策に対する「韓国国民の意識」ではなく、「南北間の制度」に注目して分析を行うことにした。理由としては、まず「意識」を図る基準を定めることは難しく、アンケート等を行うにしても、修士論文執筆までの2年間で幅広い層の十分な量のデータを収集することは困難であると判断したためである。また、意識や世論は状況変化するため、制度的な側面から客観的で構造的な部分に絞り込んで南北関係や制度政策を見ていく方が、今後研究を進めていく上でも重要なテーマになり得ると判断したためである。
 研究テーマに修正を加えた上で、8月に韓国へフィールドワークへ行き、南北国境近くを見学したり、1993年と1996年に北朝鮮からのスパイ攻撃を受けたときの現場へ赴き、資料収集や現地調査を行った。
 日本国内では、テーマや研究の内容に変化を加え、データ収集や先行文献収集に注力した。国内での先行文献は多くなく、韓国の論文やデータを参考にする事が多かった。先生方や先輩方からのご指導をうけ、改善させた。また、慶應義塾大学の現代韓国研究センター主催のシンポジウムや神戸で開催された韓国朝鮮研究学会などにも積極的に参加し、日本における朝鮮半島研究に関する研究に関する知見を高めることにも注力した。