2011年度 森泰吉郎記念研究振興基金 研究助成金申請書活動報告
政策・メディア研究科修士1年
r11ca@sfc.keio.ac.jp 上地 里佳

 

研究題目

高齢者の「さみしさ」に寄り添うメディアの創出

 

研究課題

 東京都三宅村は人口約2700人、そのうちの約2人に1人が高齢者であり、超高齢化社会を迎えている島である。三宅村の公共交通機関はバスのみで、本数は約2時間に1本と限られている。このような移動の制限がある環境下で、自力で移動することが困難な人々のコミュニケーションに焦点を当てたとき、メディアをとおしてどのように寄り添うことができるだろうか。
 本研究では、face-to-faceでのコミュニケーションが困難である人々、主に高齢者に焦点を当て、困難であるがゆえに解消しきれていなかった潜在的な「さみしさ」にアプローチし、コミュニケーションデザインを試みる。

 

活動報告・成果

【1.今学期の主な研究関連活動】
6月:三宅島フィールドワーク参加(6/17-6/22)
6月-2月:三宅島に特化したかわら版発行
7月:地域活性学会 参加
8月:三宅島フィールドワーク(8/1-8/31)
12月:三宅島フィールドワーク参加(12/1-12/5)
7月・12月:エクス・デザイン 学期末報告(計2回)
2月:加藤研究室 フィールドワーク[「栞」 出展(2/3-5)
2月:三宅島フィールドワーク参加(12/1-12/5)

【2.参考】
社会学(コミュニケーション論)に関する著作、関係論文の購読
フィールドワーク法や記録法、ビデオカメラやメディアを用いた研究方法に関する著作、関係論文の購読

【3.論文執筆の準備】
フィールドワークをとおして問題意識を発見することができた。来年度の論文執筆に向けて、先行研究や、調査手法、またそれらの分析方法を調査しはじめている。

【4.まとめ】
フィールドワーク、参与観察を長期間にわたって実施する中で、その場を観察するということで得られるふとした発見、土地に根付く歴史、生活のリズムを知ることができた。持続していくコミュニケーションデザインの研究を行っていくためには、土着のデザインが必要だと考える。来学期は、その得られた問題意識から、どのようにデザインを介入させていけるのか、実際に実施し、それを観察することで、コミュニケ―ションデザインの可能性について、探っていきたい。

 

今後の予定

1月-3月:先行事例研究/フィールド調査/音声・ビデオデータ収集
(分析/先行研究調査/論文執筆)
4月-10月:参与観察/方法検証のための実施
11月-1月:論文執筆