2012年度 森泰吉郎記念研究振興基金 研究成果報告書


氏名: 米村 茂
学籍番号: 81125527
ログイン名: raccoony
研究科・学年:政策・メディア研究科 修士課程2年
所属プログラム: CI

Proxyゲートウェイを用いたセンサデバイスへの効率的なEnd-to-End通信

実空間をコンピュータシステムで扱う,いわゆるモノのインターネット(Internet of Things) では,様々なモノが様々なアクセス方式でネットワークに接続される.アクセス方式が異なるモノに対する情報サービスの提供方法としてはWeb 技術の応用が有望である.しかし,比較的低速なネットワークを用いる環境(Constrained network) では,HTTP を用いた既存のプロトコルはオーバーヘッドが大きく不向きである.

これらの制約環境下での利用に特化したWeb プロトコルとして,Constrained Application Protocol (CoAP) がIETF において標準化作業進行中である.CoAP を用いることにより,モノとのEnd-to-End の通信がアクセスネットワークに拠らず可能になる.しかし,一方で Constrained network 区間では,リクエストの増加に伴い輻輳が発生し,一つのモノが関係できるサービス数が制限される.

本研究ではHTTP およびCoAP を用いてデータを収集する環境を構築し,情報システムにおける性能ボトルネックを実験的に調査し,定期応答メッセージが輻輳の原因となることを示す.その解決案として,ゲートウェイ装置がアプリケーションデータの内容を解釈すること無しに,センサーノードの応答集約を可能とする手法を提案する.提案手法はZigBee を用いた実装により,同じリソース情報を1秒間隔で送信する応答について,1 つのセンサーデバイスが応答数が8 の場合において,通信量を6464 bps から976 bps へと低減でき,4 つのセンサーデバイスが連携できるクライアントの数を合計31 から60 へと改善できることを明らかにした.

以上の研究を修士論文としてまとめ,提出した.