2013年度森泰吉郎記念研究振興基金 成果報告書

 

公立小学校と保護者の連携・協力を促進する学校評価の施策に関する検討

 

政策・メディア研究科 修士課程2年 伴地駿介

 

 

研究概要

 

 本研究の研究課題は「なぜ学校評価によって保護者との連携・協力が促される学校とそうでない学校があるのか」というものである。「学校評価」とは、学校の運営状況に関する内部・外部からの評価とそれをもとに改善を図る取り組みであり、学校教育法に基づき全国の公立学校で実施されている。近年は教育課題の多様化に伴い、学校の教育水準の向上にとどまらず、学校評価を通じた共通理解の醸成によって学校と保護者の連携・協力を促すことが期待されている。

しかし、文部科学省が全国の学校を対象に行った調査では、「学校評価が学校と保護者の連携・協力に役立った」と回答する学校とそうでない学校の間に差が見られる。また、日本PTA全国協議会が小学校の保護者を対象に行った調査によると、学校関係者評価委員を認知している保護者は15.3%、学校評価報告書を閲覧している保護者は25.1%にとどまっている。

本研究では、どのような学校評価の施策が保護者との連携・協力を促進するのかを検討するため、先行研究の整理と公立小学校教員を対象としたインタビュー調査を実施した。これらの内容をもとに、保護者の理解や協力を得るための情報発信の工夫、学校評価の結果を授業改善に活かすための校内体制、現場の教員が認識している実施上の課題などについて整理を行った。

 

 

参考文献

 

福本みちよ(2013)『学校評価システムの展開に関する実証的研究』玉川大学出版部

金子郁容(2005)『学校評価情報共有のデザインとツール』筑摩書房

文部科学省(2012) 「学校評価等実施状況調査(平成23年度間 調査結果)」

社団法人日本PTA全国協議会(2012)「教育に関する保護者の意識調査報告書」

豊福晋平(2010) 「これからはじめる学校広報」 GLOCOM.