2014 年度森泰吉郎記念研究振興基金 研究成果報告書

研究課題名:地域福祉における多主体間の協働

所属:政策・メディア研究科 修士課程 1

研究代表者:富田恭平

 

■研究背景・目的

近年、福祉・医療・就労支援・社会保障・生活相談等を必要とする生活困難者が抱える問題が多様化・複合化し、複数領域にまたがって問題を抱えるケースが増加している。制度によって定められた範囲に限定して単一の支援のみを行う既存の支援体制では、生活困難者の抱える複数の問題に十分な対応ができない。さらに政府の財政悪化や少子化による税収の減少にともない、公的福祉が今後削減されていく可能性が高い。福祉分野の労働力不足も深刻化する中、地域コミュニティ内での助け合いによる福祉が必要とされる。

本研究では地域の専門機関、地縁団体、住民がいかに自発的な協働関係を築き、今後地域福祉を果たしてあり方をさぐることを目的とし、行うものである。本年度は来年度の修士論文執筆に備え、事前調査を行った。

 

■研究の進捗状況

・先行研究

自治会・町内会といった地縁団体に関する先行研究、小地域福祉活動に関する先行研究、コミュニティソーシャルワークに関する先行研究に広くあたり、今後研究を進めていくにあたっての課題を確認した。

 

・調査

石巻や釜石といった被災地における地域福祉、東京郊外の地域若者サポートステーション等へのフィールドワークを行い、現場の現状を視察した。

 

■今後の方向性

本年度は主に来年度の修士論文執筆にむけた活動を行った。その結果、地域の様々な主体の協働を促し、福祉サービスをコーディネートしていく人材の重要性にいきあたった。今後はそのような役割の担い手としてコミュニティソーシャルワーカーに着目し、研究を進めていく方向性である。