森泰吉郎記念研究振興基金2014年度成果報告書

政策・メディア研究科
修士課程1年
森将輝

1. 研究タイトル
グラデーションや肌理勾配の奥行き知覚特性の数理モデルの作成
※グラデーションについては、それを用いて表現される、
対象における陰影について焦点を絞って研究を行った。

2. 研究目的
陰影や肌理の勾配のある面の奥行き知覚特性を検討する。
本研究の目的は,陰影や肌理の勾配のある面の奥行きと構成要素の関連を定量的に明らかにすることである。

3. 研究方法
30名程度の実験参加者に,コンピュータ・ディスプレイ上に提示される陰影や肌理の勾配のある台形を観察してもらい,
その台形の傾斜角や表面形状について判断してもらう。
陰影における輝度の布置や背景色,台形の上底と下底の長さの比率,ハイライトの位置が異なる台形の傾斜角や表面形状の検討や,
肌理の勾配の要素とされる線の太さや本数,ハイライトの有無や線の布置が異なる台形の表面形状の検討をした。

4. 研究結果
どの条件の違いも陰影のある台形の傾斜角判断に影響を及ぼした。
ハイライトの位置と上底と下底の長さの比率,ハイライトの位置と背景色の条件間に交互作用が生じた。
また,陰影の布置の違いは陰影のある台形の表面形状の判断に影響を及ぼした。
肌理の勾配のある台形において,勾配の布置や線の本数が表面形状の判断に影響を及ぼし,
ハイライトの有無や線の太さの違いは表面形状の判断に影響を及ぼさなかった。
また,線の本数と線の太さの条件間に交互作用が生じた。

5. 研究成果
2014年11月に六本木で行われる慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2014でのポスター発表や実験のデモを行った。

6. 今後の展望
 現在、査読付きの原著論文にむけ、執筆中である。