2015年度 森泰吉郎記念研究振興基金「研究育成費」


研究成果報告書


政策・メディア研究科

博士課程1年 81549077

福島宙輝



研究課題名:味覚表現コーパスにみられる音象徴語の意味機能分析


研究成果の概要

味覚の言語表現においては,感覚と言語を繋ぐことのむずかしさを表す記号接地という問題が主題として取り上げられる.本研究では,この問題に対して,中間参照枠という概念装置を用い,そこを経由して,さまざまな表現が味覚の記述に用いられるという論点を示した.本研究は,中間参照枠として音象徴に注目し,音象徴を参照することで,どのように味覚表現が行われているかを明らかにすることを明らかにする試みであった.具体的には,ワインと日本酒の表現コーパスを作成して,コーパスの中にみられる音象徴語がワインあるいは日本酒の何を表すのに使われているかを明らかにした.音象徴が対象(味覚感覚)を記号化する際の中間参照枠として機能するというのが本研究の主張である.しかし,対象があって,それを記号化するのか,あるいは記号化することが対象を創出するのかという大きな問題は,今後の研究課題とする.


本年度研究成果の発表