H2015年度 森泰吉郎記念研究振興基金 報告書

初学者に向けたプログラミング学習環境の構築

政策メディア研究科 1年 ITシステム(CI)
81524164 歌代 拓未

研究概要

 本研究は「プログラミング初学者への支援」を主題としている。初学者のモチベーションが欠落しやすい分野であり、学習の序盤において躓き諦めてしまう学生も少なくない。そのような学生を対象とし、モチベーションの維持と創発を念頭に置いたプログラミング学習環境を構築することが本研究の現在考案しているアプローチである。プログラミングの難しさを極力取り除き、初学者にスムーズに学習してもらうことが本研究における最終目標である。

今期の活動内容

 プログラミング教育における論文調査を行った。教育工学系の論文調査に注力し、現在どのような研究が行われ、どのように評価されているのかを調べた。「プログラミング環境の構築」という点において多くの論文があり、それぞれがその問題意識について考察し実装を行っていた。しかし教育目的で開発したものでありながら実際に授業等に継続的に利用されている例は少ない。また評価方法が対象者へのアンケートによるものが多く、学力向上による評価ができない。教育系の研究の場合、ある程度の期間で教育を行いその前後の学力を調査し、さらに従来の教育手法を適用した対象群を用意することが理想である。

 今期の目標として、「プログラミング初学者への学習環境構築」を掲げていた。しかし調査の結果、環境構築をするだけでは研究性に乏しく、満足な調査するためには多くの被験者と長い期間が必要となる。本研究のテーマ「プログラミング初学者への支援」を実現させるためにその手法が正しく現実的であることが必要であり、開発物のすり合わせを行う。現在考案している提案として、「質問と回答ページのリンク」である。プログラミングにおいてトラブルや疑問が発生した時、多くの場合Web上のソースを検索する。学習がスムーズに行える層はその検索による解決が早いように感じる。よって、プログラミング上の問題を解決したページをその問題の種類や要素をキーワードとして集積し、同じ問題を抱えた初学者がスムーズにそのサイトへ移動できる環境作りによる支援を行える。