2003年度SFC研究所 プロジェクト補助 研究報告
「思考の外在化を助けるコンテンツの制作と評価ー展覧会を通してーー」 環境情報学部教授 有澤誠
レポート 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士1年 高野直子 mail:palupi@sfc.keio.ac.jp
1、研究の概要
この研究はSFCオープンリサーチフォーラムにて、制作した玩具を展示し来場者に使用してもらう展覧会を目的とした。
それに関わるコンセプトづくり、企画、玩具制作、空間演出、当日運営、記録などを研究に含む。
新しい玩具(詳しくは次章参照)の模索をテーマに、来場者に対してアンケートをとりそれを評価とした。
ORF展示の看板部 ポスター
2、メンバー
代表:高野直子 慶応義塾大学 政策・メディア研究科 修士1年
サブ代表:栗林賢 慶応義塾大学 環境情報学部 2年
会計:岡村有希子 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士2年
空間演出:坂口佑 慶応義塾大学 政策・メディア研究科 訪問研究員
記録:岡村春香 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士2年
演出・記録補助:大橋裕太朗 慶應義塾大学 環境情報学部 4年
玩具制作
”いつものふうけい+α” by佐藤実紗
”masatzer”by高野直子
”()'s ART BOX”by岡村ゆきこ
”ONEKEYTV”byクワクボリョウタ
”S.CUBELOCK”by福島直子
”SOUND BLOCK”by大橋裕太朗
”デジタル信号”by加藤太一
”R&B”by栗林賢+玉利康延+吉本龍司+石元龍太郎
”シーソー糸電話”by神垣さやか
3、研究の背景とコンセプト
この展覧会を開催しようと考えた背景には、現代の玩具状況がある。
テクノロジーの進歩や、共働きの親の増加で、手軽に刺激のある遊びが主流となっている。
テレビゲームやネットゲームが子供に人気がある事からも推測がつく。
しかし、子供の遊びがそれらに集中してしまう事で遊びに対して受動的になり、
身体を使いながら考えたり、物とのコミュニケーションによって思考に刺激を受ける
事が乏しくなるのではないかと危惧した。
また、遊びを上記のように捉える事によって大人にとっても必要な要素を持つことが分かった。
今回のコンセプトは”思考を刺激する玩具で遊ぶ”というものだが、
子供でも大人でも興味をひかれ、遊んで頭が活性化するような玩具をつくり、
使用できる場をつくろうと考えた。
4、オープンリサーチフォーラム当日
2003年11月20、21日に六本木ヒルズにて開催されたオープンリサーチフォーラムにて
本展覧会がおこなわれた。
二日間でのべ、1000人の方が本展覧会へ足を踏み入れ、150枚のアンケートを残していてって下さった。
会場に入る前に、このマシンでカプセルを出すところからはじまる。中にパンフレットが入っており、”遊び”であるというテーマを全体で表現している。
”いつものふうけい+α”by佐藤実紗 ”masatzer”by高野直子 ”()'s ART BOX”by岡村ゆきこ
”ONEKEYTV”byクワクボリョウタ ”S.CUBELOCK”by福島直子 ”SOUND BLOCK”by大橋裕太朗
”デジタル信号”by加藤太一 ”R&B”by栗林賢+玉利康延+吉本龍司+石元龍太郎
会場の様子 混雑状態
5、評価と今後
この展覧会の評価は、会場に来て下さった方々からのアンケートと、スタッフの反省会によった。
まずは会場の意見から
(プラスな評価)
ー子供が生まれたら使わせたい
ーこういう玩具が増えれば、頭の良い子ができそう
ー商品化をしてほしい
ーすごく楽しい
(ちょっとマイナスな評価)
ー中には、作りが甘いものがある
ー思考のどの部分がどう刺激をうけるのか、説明が欲しかった
ーコンセプトが曖昧かも
ー混雑していてあまり見れなかった
スタッフの反省会で出た内容
ー「展覧会論」といして、あたらしい領域を作れるかもしれない
見せるだけの展覧会ではなく、ワークショップの要素を取り入れる。
現在たくさんそのような展覧会が存在するが、その新規性のみで注目を集めているものが少なく無い。
本当にコンセプトにあっている活動か?本当に来場者が楽しんでいるのか?
もっと追求したら新しい活動を作れるだろう。