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             これまでの活動 
              研究代表者はEUからの政策・制度普及の視点からウクライナの重要性に着目し、南野大介・在ウクライナ日本大使館2等書記官の仲介により2005年9月よりロガチ教授と共同研究を実施してきた。2006年2月にはロガチ教授をSFCに招聘し政策普及についての国際ワークショップを開催し、同教授にはEUからの政策普及の中継地としてのウクライナの対中央アジア地域戦略について報告いただいた。加えて、ロガチ教授は、自身が地域センター長を務め、300名近い研究者が参加する中東欧大学間連携機構(Central 
            Eastern European UniversityNetwork: 
            CEEUN)への本プロジェクトの参加を促してきた。2006年4月には、ロガチ教授の紹介で同機構のコーディネーターであるドミネーゼ(Georgio 
            Dominese)ウディネ大学教授及びアマティ・イタリア駐日公使と会合を持ち、2007年3月にはロガチ教授とドミネーゼ教授を招聘し、共同研究の実施ついての意見交換を行っている。  また、2007年9月には、研究代表者がキエフ国立大学国際関係校(IIR)を訪問、SFCと同校の間でMOUを締結している。その際、IIRの発行する雑誌『国際問題研究』へのSFCからの投稿(英語)が可能となった。同雑誌には2008年中に、稲垣と市川が投稿する計画である。また、2008年3月には、稲垣と市川がIIRを訪問、ロガチ教授およびシュルニコフIIR副学長と学術交流の計画について意見交換を行ない、大学院生を含む若手研究者間の交流を実施して行くことで確認した。 
             
            活動報告
  
            1. 
            アレクサンドル・ロガチ教授の来日    以上の活動を踏まえ、本プロジェクトはIIRとの学術交流の深化のために、慶應義塾大学SFCとキエフ国立大学IIRとのMOUのIIR側の責任者である、アレクサンドル・ロガチ教授(IIR国際金融学科学科長)を招聘、e-Jpurnal 
            Transformation Studies 
            Review (以下 TSR)の合同での創刊について話合いを持った。ロガチ教授は、2008年12月2日〜7日にかけて来日、阿川総合政策学部長を表敬訪問を行うとともに、香川、稲垣、市川、中村とTSRの発行について、 (1)ホームページで、募集題目とともに論文投稿をSFC-IIR以外にも呼びかける。 (2)2009年1月に第1号を創刊すること。 (3)第1号は、キックオフ特別号として招待論文特集とする。 (4)TSRのホームページについては、SFC香川研究室のホームページ下に仮に設置すること  (http://web.sfc.keio.ac.jp/~kgw/TSR/)。 (5)第2号の題目等ついては引き続き議論すること. の5点ついて合意した。  なお、第1号の執筆者については、下記に示すとおり、クリニッチ駐日ウクライナ全権大使の巻頭言をはじめ、アレクサンドル・ロガチ教授、CEEUNのジョルジオ・ドミネーゼ教授をはじめ総勢で5名程の内外の研究者に依頼することで合意した。  また、12月4日にはロガチ教授とともに、稲垣、市川、中村がウクライナ大使館を表敬訪問。SFC-IIR間のMOUにかねてより関心を持っていたクリニッチ大使と会談を行い、TSRへの巻頭言について了承を得た。また、同MOUの深化に対し日本=ウクライナ間の学術交流の一例として大使館として非常に関心を持っていること。そのために可能なサポートを行なうことなども合意した。
  2. 
            Youth Innovation Competition on Global Governance 
            2008への参加    IIRが地域センターとなっているCEEUNが共催の一つとしてローマにて、大学院生が対象のリサーチ・コンペティションであるYouth Innovation Competition on Global Govenance 
            2008(YICGG2008)が8月に開催された 
            。YICGGは、2007年に復旦大学(中国)とUNDPのMOUにて開始されたグローバル・コンペティションで、中国、イタリア、アメリカ、ロシア、シンガポール、ブルガリア、ベトナムといった世界各国から学生及び研究者が集まり、グローバルガバナンスに関するグループワークを行ないその成果を競うものである。慶應義塾大学からは、久保寛和君、舘野広大君、加藤百合君(以上、政策・メディア研究科修士課程在籍)、渡辺覚君(法学研究科修士課程在籍)ら4名がイタリアの学生等とともに水ガバナンスについて研究発表を行い、16チームの中見事3位を獲得、その成果はCEEUNが発行する学術雑誌Transition 
            Studies Reviewに掲載が決定している。また、本プロジェクトからは稲垣、市川がSuper 
            Visorとして参加、200余名の学生に対し講義を行うとともに、グループワークの指導を行なった。また、稲垣はJudgement 
            Comitteeのメンバーとして審査にも参加した。  なお、YICGG2009はIIRを中心としたキエフ国立大学での開催を現在検討中である。 
             
            今後の課題 
             SFC-IIR間のMOUについては、上記の通りこれまで香川研究室が中心となり実施してきた。しかしながら、香川が2010年3月をもって慶應義塾を退職するため、実質的な活動の中心となる研究室の確保が急務である。SFC-IIR間のMOUの更なる深化と永続化につついては、IIRおよび在日本キエフ大使館からも期待及び憂慮の念が示さされている。とくに、IIRとしては学生レベルでの交流に関心を示しており、2008年11月に就任したコピイカ校長もMOUの発展に積極的な姿勢を見せている.また、MOUを締結した際の、IIR校長であった、レオニード・フベルツキ教授がキエフ国立大学学長に2008年11月に就任しており、キエフ国立大学としてもより包括的な提携発展に関心を示しており、SFCおよび慶應義塾としての基盤整備が重要であると思われる。 
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