2010年度 学術交流支援資金(電子教材作成支援)報告書

    プロジェクト: No.3-5
    研究課題名: パターンランゲージ
    代表者: 井庭 崇(慶應義塾大学総合政策学部)



    本プロジェクトでは、「学習パターン」の英語版を作成した。学習パターンは、2009年度より慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部で冊子を配布したパターン・ランゲージであり、SFCらしい学びのコツがまとめられているものである。パターン・ランゲージとは、デザインの知(問題発見+問題解決の知)を記述するための方法である。パターン・ランゲージの要素である「パターン」には、どのような状況のときに、どのような問題が生じやすく、それをどのように解決すればよいのかが記述される。このようなパターンには、対象となるデザイン領域における「よりよいカタチ」についての想像力をかきたて、人を動かす機能がある。本プロジェクトでは、この学習パターンの英語版を作成した。

    本プロジェクトでは、単に「日本語を英語に変換する」のではなく、「英語版をつくる」ということにこだわった。というのは、日本語では曖昧に書くことができた文章も、英語にすると途端に意味不明なものになるからである。そこで、一行一行その内容を深く理解しながら英語で書き直し、また、できる限り英語らしい表現を心がけた。

    英語で書かれたパターンは、その内容・表現をブラッシュアップする「ライターズ・ワークショップ」を何度も開催した。ライターズ・ワークショップは、1パターンあたり約1時間〜1時間半かけて行なった。ライターズ・ワークショップでは、パターンの表現をどうすればよりよくできるのかを話し合うが、パターンを書いてきた本人は原則としてしゃべることはできず、その話し合いを聞きながらひたすら修正点や改善案をメモしていく。これは、記述されたものが重要だからである。

    本プロジェクトで作成した学習パターン英語版は、パターン・ランゲージの国際学会 AsianPLoP2011でのワークショップで発表・使用するほか、2011年9月入学のGIGAプログラムの学生に配布する予定である。


     




    ■ 本プロジェクトに関連する研究成果

    • Takashi Iba, Mami Sakamoto, and Toko Miyake, "How to Write Tacit Knowledge as a Pattern Language: Media Design for Spontaneous and Collaborative Communities", 2nd Conference on Collaborative Innovation Networks (COINs2010), Oct., 2010
    • Takashi Iba, "Learning Patterns Workshop", 2nd Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP 2011), 2011