非光学メディアを用い神経系イメージ学における新しい動的イメージ生成法の提案
非光学メディアを用い神経系イメージ学における新しい動的イメージ生成法の提案
研究課題名
政策・メディア研究科 博士課程3年 坂本泰宏
近年ヨーロッパを中心に誕生した学際的な研究領域イメージ学によって,イメージにおける美の解釈を人の知覚と認識の問題として考察し,自然科学的に説明することが可能になった.そこで本研究では,動画を始めとする創造された抽象的な動的イメージを,特に神経系イメージ学の中で扱うことによってヒトの動的イメージの知覚と認知を生理現象として説明することを試みる.
研究成果
1.本研究の成果に基づいたフルペーパー論文を現在,心理学系論文誌へ投稿中(2009年3月現在)である.
2.2008年10月30日 ベルリン・フンボルト大学芸術学学部コロキウム ゲスト発表者として発表.
→発表テーマ:Physikalische und physiologische Betrachtung der Bewegung in der Kunst
(和訳)芸術における運動の生理的ならびに物理的考察
3.2008年11月よりドイツのジーゲン現代芸術美術館で開催中の展覧会,Blickmaschinenのウェブサイトにて
“無題”(Technische Demonstration)が紹介されています.
→外部リンク http://www.blickmaschinen.de/visuelle_taktiken.php?id=24
研究課題
今年度の活動として以下3つの活動を行った.
1.フィールドワーク
イギリスの王立フィルム研究所(BFI)ならびにパリ映画研究所(La Cinemathequw Francaise)アーカイブ訪問, 映画前史や視覚文化に関わる研究資料や論文の収集を行った.
2.芸術作品を題材としたシミュレーション
音響彫刻作品において,空間に音響を周波数のサンプリング定理に基づきデザインし,人の芸術知覚を数理モデルによって定義した現代芸術家,Stephan von Hueneの作品群の音響シミュレーション並びに視覚化シミュレーションをハンブルグ在住のvon Huene夫人の協力を得て行った(上図).
3.理論の体系化
上記1と2を踏まえ,視覚文化に関わる歴史的背景を慎重に考慮しつつ,芸術知覚を生理学的な立場から捉え,その知覚を計算理論的に解釈を試みた.具体的な報告は現在(2009年3月時点)論文として現在審査中である.
具体的な報告は以下に2009年7月頃公開可能な予定である.
活動報告
謝辞
博士研究としての研究発展ならびに貴重なフィールドワークの機会を提供してくださった森基金関係者,選考委員の皆様,ならびに慶応大学研究支援センターの皆様に心よりお礼を申し上げます.尚,本件に関わる論文投稿中並びに研究内容に関わる未発表内容の新規性保護の関係上,現時点で報告書に公開可能な内容が制限されてることにつきましてお詫び申し上げます.
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