常設展示リスト

※展示内容は随時アップデートされます。

■ネットワーク層
タイトル 研究者名学 部 会 場
無線LANおよび知的セキュリティシステム 武藤 佳恭環境情報学部 ο11
武藤研究会では、科学技術の本質に迫る新たな方法論の追求を目指して、ニューラルネ ットワークやマルチエージェントとその応用について、研究を行っています。具体的に は、新しい画像認識システムやネットワークセキュリティシステムの構築を目指してい ます。また、無線LANを用いたネットワークなどの新たな利用方法についても研究して います。武藤研究会で行われている以下のプロジェクトの研究成果と今後の研究方針に 関して、展示、デモンストレーション、プレゼンテーションを行います。
1.無線LANによるWireless Local Loop
今回は、屋外で無線LANを用いて、回線事業者と使用者の家庭 を結ぶ実験を行います。このシステムでは、一般的な加入者回線網から独立したネット ワークインフラストラクチャの構築が可能dす。また、屋内では電話線や電力線を用い たネットワークを併用することにより、総合的なネットワークの構築を行います。
2.ネットワーク進入検出システム(Intrusion Detection System)
ネットワーク進入検出シ ステムとは、計算機の不正な利用を試みるユーザの振る舞いや、ネットワーク状態を監 視することにより計算機への不正進入の予防等を行うシステムです。ネットワーク常時 接続を想定したサービスが増大する一方、計算機の安全性の確保に対する必要性が高ま っています。各計算機のファイヤウォールや暗号など、従来のセキュリティー技術を補 完する新たな技術を提案します。
3.人工網膜カメラを用いた侵入監視システム人工網膜
カメラを用いて、人物等の動きを監視し、動きのベクトル(オプティカルフロー)の生 じたときのみ無線ネットワークにつながった遠隔コンピュータに画像を転送します。こ のシステムにより、異常を検知したときのみ画像を転送するため、ネットワークへの負 担は軽減する。
人とデバイスとのリアルタイム相互作用 徳田 英幸環境情報学部 οロビー
RT-HDIプロジェクトは、デジタル技術 の応用領域を人間同士(Inter-Human)、人間と情報機器(Human-Device)、情報 機器間(Inter-Device)の3つに分類し、各領域を対象としてホームネットワー クや組込みシステム等を利用した次世代アプリケーション共通基盤構築を目指 す。特に、人間と情報機器との新たな接点として、実世界の機器の諸機能を仮 想空間上で融合した、VNA(Virtual Network Appliance)の実現を図る。本年 度の展示では、QoS対応エージェント、家電制御機器、ウェアラブルコンピュー ティングのデモンストレーションをはじめ、RT-HDIプロジェクトの現状を報告 します。
次世代高速広域ネットワークの運用実験 中村 修環境情報学部 οロビー
本プロジェクトでは、運用と実験を同時に行ないながら次世代のネットワーク についての研究を行なう。次世代高速広帯域ネットワークの運用実験として JB(Japan Backbone)というプロジェクトを行なっています。JB プロジェクトで は、光通信技術を使用した高速広帯域ネットワークの構築と運用を行ないます。JB ネットワークは 次世代インターネットプロトコルである IPv6 で運用されて います。IPv6 は kame プロジェクトにより開発を行なったソフトウェアセット である KAME を使用して運用を行ないます。また、広帯域を使用し、リアルタイム なマルチメディアコミュニケーションを行なうツールとして DV(Digital Video)による通信ツールを開発しました。
インターネット自動車 村井 純環境情報学部 οロビー
自動車の情報化とインターネット接続 について技術面と社会面の両方から考察します。今回は、前年度に引続き、自動 車をインターネットに接続して外部から監視するより高度なアプリケーション のデモンストレーション、無線LANを利用した通信のデモンストレーション等 をおこないます。
インターネット上における高等教育環境の実現 村井 純環境情報学部 οロビー
School on the Internet(SOI)研究グループでは、本学を実証実験の 場として高等教育環境および研究環境をインターネット上に構築し、 開かれた学びの場を実現するための研究をおこなっています。 本年度の展示では、SOI環境のデモンストレーションをはじめ、 SOIで進行中の各プロジェクトの現状などを報告します。
衛星回線を利用したアジア地域インターネット国際バックボーンの構築 楠本 博之環境情報学部 οロビー
AIIIプロジェクトでは、衛星回線を利用した、アジア地域における インターネットの国際バックボーンの構築と、衛星インターネット 上での様々な先進的研究を行っています。 本年度から、SFCを中心にC-Bandを利用した新たな国際バックボーン が構築されます。展示では、AIIIプロジェクトの概要や、研究活動に ついて紹介します。
日本の情報基盤整備戦略 村井 純環境情報学部 οロビー
本プロジェクトでは、日本の情報通信インフラストラクチャ構築に向けての戦略 について議論し、その結果を公表し、また関係する団体に働きかけることによっ てその実現を目指しています。 具体的に取り上げている研究項目は、電気通信事業法等の通信政策関連法律、地 方自治体によるインフラストラクチャ整備などです。本プロジェクトは政策・ メディア21プロジェクト(MAG21)と連携して研究を進めています。
sensorium-sfc art space 村井 純環境情報学部 οロビー
インターネットの活動状況を音で感じられるnetsoundという sensoriumプロジェクトの作品があります。この作品は、ネットワーク内に パケットが流れるとそのパケットに対応した音がなる作品です。 このようなsensoriumプロジェクトの作品に触発され、今回、 ネットワークトラフィックを音や映像等でアーティスティックに 表現する習作を作成しました。この作品のコンセプトはnetsoundと 同じであるが、ネットワーク内にパケットが流れると、そのパケットに 対応したボール等が3D空間上に音声を伴って飛び交うという作品です。
World Wide Web Consortium(W3C) 斎藤 信男環境情報学部 ο11
次世代WEBを体験しよう。
マルチ・データベースシステムおよびそのシステムの構成と利用環境 清木 康環境情報学部 ο11
広域コンピュータ・ネットワーク環境において、次世代データベース システムの研究を行っています。それは、異種データベース間の連結による コネクション・メリットが重要な対象です。コネクション・メリットは、 一つの組織が独自のデータベースを単独で保有し、利用するのではなく、 ネットワークを介して複数の組織がそれぞれのデータベースを共有 し合って実現されます。異種のデータベースを結合あるいは連結することに より、複合的な情報生成を行うことになります。「異種」のデータベースとは、 必ずしもデータが異なるという意味だけには留まらず、データの格納 方法や、データの表現形式自体が異なる(画像データ、テキストデータ等) という場合も含まれます。このように、異種データベースを同時に 使っていくことのメリットが認識され、実現しつつあるという背景 の中で、検索者にとっての最適なデータベースシステムの研究の例を、 以下で一つずつ述べます。
意味的連想検索システム
1:検索者とデータベース作成者の使う言葉には、意味的な相違があります。 一つの同じ言葉であっても、両者にとってはそれぞれ微妙に異なるニュアンスを 含んでいることがあります。一つのデータベースが大勢の利用者に 利用されるという前述した状況は、この問題を解消し、より検索者の感性に 合致した結果を出す方式として、「意味の数学モデル」を示しています。 言葉は、それが用いられている文脈、あるいは状況に応じて動的にその 意味を変化させます。意味の数学モデルは、こうして変化したデータ間の 意味的な関係を計算するモデルです。
2:前述したように、データベースのデータには、様々な表現形式が存在しま す。 その表現形式の相違を解消し、それらの異種データベースを連結するには、 各々の形式を共通の形式に変換する必要が出てきます。それぞれのデータを、 共通の表現形式に変換する方式として意味的連想検索方式を用い、その実現 方式を示しています。現在、このモデルによるマルチメディアデータベース の意味的連想検索システムとして「意味の数学モデル」を示し、 問い合わせ者が発行する感性情報(明るい・暗い等)に応じた 画像情報の検索を行うシステムを実現しています。
知の共有化プロジェクト 斎藤 信男環境情報学部 ο11
本プロジェクトの背景と概要:
慶應義塾は26万人の卒業生(塾員)を有し、社中一致の精神により大学と同窓 会の関係は極めて強固です。同窓会(三田会)活動は非常に活発ですが、現在の 社会情勢下、懐古的活動だけなく、未来を志向し、社会への働きかけを求められ ています。法務省法制審議会民法部会で2001年施行を目途として、同窓会な どの中間法人制度創設が進んでいます。社会的要求に応えるためには、大学と同 窓会の関係は、情緒的なものから現実的、機能的なものへと変質する必要があり ます。この具現化には、大学と塾員の緻密で質の高い情報の共有化が必要です。 その手段として、いかなるデジタルネットワークの構築が、効率的であるかを実 証研究するのが知の共有化プロジェクト(Sharing Human Intellect Project : SHIP)です。
本プロジェクトの特徴:
SHIPのユニークな点は、436名の個人が自主的に参加し、ボランティアで運営 していることです。お仕着せのプロジェクト運営ではなく、参加者が皆で創りあ げることをテーマにしています。参加者の年齢差は50数歳あり、多層的な世代 の参加もユニークな点です。インターネット経由ですので、当然のことながら参 加者は全国各地、世界各地からアクセスしています。ホームページで一方向の情 報を流すのではなく、情報の相互交換を重視しています。会員専用空間(クロー ズドエリア)を設け、発言は全て実名でなされています。身元確認を容易にする ため、データベースとリンクしているので信頼度が高い会話や情報の交換が可能 となっています。
本プロジェクトの理念、目的、課題:
大学と社会の融合が基本理念です。大学の蓄積した、学術的に整理された知識と、 卒業生の豊富な社会経験や最新先端的知識を融合し、新たな知的コングロマリッ トを形成し、その果実を社会に還元することが目的です。進化する技術を踏まえ、 誰にも分り易く、使い易いネットワーク技術やコンテンツ開発が具体的課題です。 本プロジェクトの研究計画:クライアントに負担の軽いシステム開発を進めて来 ました。今後は映像、音声の簡単な投稿システムの確立や、携帯電話を利用しパー ソナルコンピューター無しで、何時、何処からでも利用できるシステムの開発も 目指しています。また、情報の質と深く関係する、参加者のデータベースのあり 方(プライバシー保護、セキュリティー)や塾員自身のオンラインでのデータ更 新方法等の研究も合せて行っています。
本プロジェクトの現状と今後:
今迄の実験の結果、世代間の認識のギャップが少ないことが実証されました。 H.P.開設を躊躇していた幅広い世代を包含する三田会(同窓会の構成単位)が本 システムを利用し始めました。 SHIPがいわば中庭となり、ここを中心に様々な三 田会が接続し情報ネットワークを広がっていく構造です。単なるホームページの リンクとは異なり、メンバーのデータベースの同一化は、多種の三田会が相互乗 り入れし、互いの情報の利用を可能となります。個々の三田会の独立性を維持し つつ、個人は多方面にわたる情報交換に参加出来ることになります。塾員だけで なく、現役学生と大学、現役学生と塾員とのコミュニケーション手段としても使 えます。塾員を介し企業の参加など(新卒者就職用ツールとして、既卒者の転職 ツールとして)利用方法の拡大と参加者の増大が予測されます。本プロジェクト は慶應義塾、塾員を対象にしていますが、機能的には慶應義塾以外の組織での本 システムの使用は何ら差し支えがなく、他大学、学校や企業、非営利組織、地域 ネットワークなどに、本システムの貸与を視野に入れて研究活動を行っています。
参加呼び掛け:
基本的研究段階から第2段階に至り、時恰もSFC隣接地に看護学部新キャンパスと 病院が発足します。本システムは幅広い範囲の情報収集機能という点で介護の問 題解決に適合していまして、応用例として高齢化問題を SHIPのサブプロジェクト にする予定です。本システムの更なる進化を目指し、広範な分野の企業など多く の方々の参加を願います。
■フィールドワーク層
タイトル 研究者名学 部 会 場
LEADジャパン・プログラム 鵜野 公郎総合政策学部 ι11
SFC研究所を日本における拠点とする 環境と開発のためのリーダーシップ育成プログラム、LEAD(Leadership for Environment And Development)の紹介・研修内容の展示、研修生によるプレゼ ンテーションを行います。なお、プレゼンテーションの聴衆としては、主とし てLEAD研修生および研修生の勤務先関係者を予定しています。
VCOM/電緑都市ふじさわ 金子 郁容政策・メディア研究科 ι11
VCOMが3年前から藤沢市と共同で運営 している「電緑都市ふじさわ:市民電子会議室」の説明とオンライン参加を行 います。
デジタル・アース 福井 弘道総合政策学部 ι11
福井研究会では、「空間情報科学」という視点から地域から地球までの 多様な空間計画に取り組んでいます。空間情報科学は、未だ聞き慣れ ない言葉ですが、現実の世界を情報の欠落が生じないようにサイ バースペースで再現し、そこでの解析結果を現実世界に適用するた めに必要となる科学です。地球上のあらゆる事象は時空間におい て生起するものであり、非常に広範で複合的な課題に取り組まなけ ればなりません。従って具体的には、相互運用の可能な次世代空間 情報システム等の研究道具の開発や、地球に関する多様なデータ ベースである「デジタル・アース」といったコンテンツの構築を行って います。これらを通じて、地球やグローバル・コモンズが今後“どうなる か”だけではなく、“どうするか”という意思決定レベルにおける都市 や環境計画を検討します。
「アジアのメガシティーにおける建築・都市景観データベース」 塚越 功政策・メディア研究科 ι11
Megacitie Database Project の途中 成果を2台のプロジェクターを使って紹介します。
情報に基づく乗客志向の交通環境整備 有澤 誠環境情報学部 ιロビー
交通運輸環境は、すべての人間が「物」 「情報」「場」「サーヴィス」などの基本的欲求を満たすプロセスを支援する 非常に重要な生活環境のひとつです。しかし、マイカーなどの私的交通機関の 普及などにより、公共交通機関の経営は年々悪化し、種々の改善施策に対する コスト捻出も、年々困難を窮めています。そのため、もはや従前の技術特化型・ コスト軽視の工学的アプローチや、問題発見注視型の社会科学的アプローチで は、事業者・行政・生活者が共に幸福を感じられる交通空間は創造されにくい といっても過言ではありません。これからは、既存の資源を活用しつつ、事業 者・行政・生活者の社会的合意形成が得られる方法を開発し、交通環境整備を より現実的な視点で推進していく新規手法の提言が非常に重要になってきます。 我々は、上記のコンセプトに基づき、空間的制約・開発者の予算的制約などの 複雑な現実的諸条件を加味した上での実効性のある交通環境整備方策を各サブ テーマごとに提示します。大学院修士課程の学生が展開している代表的テーマ としては、以下のものがあります。
・鉄道サーヴィスにおけるICカードの有用性・可能性の研究
・優等電車の停車が与える地域インパクトの研究
・都市内の異動時空間の最適配分に関する研究
・仮想評価法による現実的なノーマライゼーション推進方策の研究
我々は、皆様と共に交通運輸環境の近未来ヴィジョンを現実的に考えるコラボ レイションの場としてこのセッションを用意しました。多数の参加を期待して おります。
サイバー・マスター・プランニング・プロジェクト 日端康雄政策・メディア研究科 ιロビー
「サイバー・マスタープランニング・プロジェクト」は、電子メ ディアによるプランニング・ステージの構築を目指し、いよいよ第 三世代目のシステム開発に取り組みはじめました。
1995年に大和市で行なったWebによる情報提供と電子メールによ る意見収集実験を第一世代ととらえ、意見作成支援を目指した電子 会議室システムを第ニ世代、そして統合型プランニングステージの 初期モデルとしての第三世代に至る研究成果をプロジェクターに て、ご紹介いたします。
また、当日は、実際に第ニ世代モデルであります「市民参加電子 会議室」による参加体験も実施いたします。
ヴァーチャルコロキアム 香川敏幸総合政策学部 ιロビー
香川研究室では、通帳の研究会活動の発表の手法として、パネルディスカッション形式を主に用いています。これをWeb上で行うという試みを、「バーチャルコロキアム」として提示します。研究手法として、バーチャルフィールドワークをすることを前提としています。
Pacific-Asia Consortium for Research and Human Resource Development 梅垣理郎(総合政策学部),小島朋之(総合政策学部),ティースマイヤ・リ ン(環境情報学部)ι11
一方には飛躍的に進歩を続ける情報通 信関連の技術があり、他方には飽くことなく追求される経済成長・開発が様々 な問題を排出して止みません。技術上の先端制の追求が、いずれはその実用性・ 汎用性を広く認識されてゆくことになるでしょう。しかし私たちが注目するの は、情報通信技術の恩恵の有無に関わらず、解決が急務とされる課題が後を絶 たないという点です。エイズなど感染症の高い疾患と住環境・労働環境悪化 の高い相関、高齢化による社会的コストの急上昇、などなどを考えればそれが 分かります。
私達は、こうした様々な問題の現場に先端的な情報通信技術を導入する、ある いは、情報通信関連のリテラシーに恵まれた人材を開発することで、コスト・ エフィシェントな問題解決の方法を模索してきました。こうした目標を持つこ のプロジェクトはいくつかの柱を軸として機能しています。
第1に、現場を重視した地道な調査です。ここには政府レベルでの統計には浮 上しにくいような「ローカル」な資料の収集と評価、良質のNGOの特定、政府 −NGO関係の評価などが含まれます。 第2に、クロスレファランスを可能にするための資料のオンライン化がありま す。以上の2点を効率的に進めるため、このプロジェクトではいわば自立的な 研究調査集団の開発に努めてきました。その結果、パシフィック−アジア地域 にはこのプロジェクトの提携研究・実践組織が散在するにいたりました。こう した組織は時に私達のリサーチ・サテライトとして、時に独自のリサーチチー ムとして活動しています。
第3の柱は情報通信関連のリテラシーの育成です。ここではまずSFCの恵まれた 環境を活かすプログラムを構築しています。このプログラムでは、問題解決の 現場にこれから出ていこうとする人材と問題解決の現場ですでに調査・実践に 従事してきた人材との融合、技術と情報とのインターアクティヴな融合とが進 められています。この第3の柱には、このSFCでのプログラムと平行して、パシ フィック−アジア地域の提携組織の協力の許、中・長期間の国内外のフィール ドワークが設定されています。
このプロジェクトの成果は、一方でネットワーク・リテラシー、マルチメディ ア・。リテラシー、フィールドワーク・リテラシーに恵まれた機動力豊かな研 究・実践集団の創出であり、同時に、様々な社会的な課題の性格を的確に抽出 できるような情報の開発とそのオンライン化です。
■マインドワーク層
タイトル 研究者名学 部 会 場
帰納推論による暗黙知の言語化 古川 康一政策・メディア研究科 εロビー
本研究では、機能推論システムProgolを用いた暗黙知の言語化への応用例を示 します。また、これらの応用例の使用に耐えるための、Progol自身の改良につ いても紹介します。
第一に、Progolを用いた幼児の言語獲得のモデル化とそのシミュレーションへ の応用例を示します。幼児は自分でも分からないうちに喋れるようになります。 これは、幼児が無意識に語彙を獲得していることに他なりません。本応用例では、 幼児が知覚する情報を論理的に表現し、言語獲得の機構を記号論理的な形式で 明らかにすることが目的です。まず幼児の語彙獲得の認知モデルが機能推論の 枠組みに非常に近いことを示し、次に機能推論システムProgolを用いた幼児の 語彙獲得のモデル化とそのシミュレーションの研究を紹介します。
第二に、Progolを用いた身体運動の技能獲得の応用例を示します。身体技能の 解析は、主にスポーツ科学や人間工学の分野で行われています。しかし、一度 獲得された技術は、獲得した本人でさえも説明するのが困難な場合が多くあり ます。これは、無意識にその身体運動の技術を再現しているからに他なりませ ん。技の教育の現場からすると、このような教師による説明の困難性は、技を 教わる人にとっては非常に都合が良くありません。本研究は、客観的なデータ を用いた、Progolによる技能獲得とそのモデル化が身体運動の教育に貢献する ことをねらっています。ここでは、楽器演奏を例としてとりあげています。ま ず、モーションキャプチャリングデータ、筋電図などを用い、楽器演奏中の身 体動作に関する生体データの獲得を行います。次に、このデータを用いた、 Progolによる楽器演奏の身体技能をモデル化する方法を示します。なお、ここ では、解剖学、バイオメカニクスなどの身体構造、身体運動のメカニズムを考 慮に入れて研究を進めています。
最後に、これらの応用例に用いられる推論エンジンProgolの改良について示し ます。Progolは、決定木などの以前の機械学習システムに比べ、問題の表現能 力が格段に良くなっています。しかしこれは、計算量を増大させる一要因とな るため、処理スピードの改善が必要となります。今回、大規模データからの知 識獲得(データマイニング)を目的としたProgolアルゴリズムの改良について 示します。この改良により、様々な領域における大量データからの一般的な規 則性を効率よく行うことができることを示します。
トランスパブリッシングシステム 大岩 元環境情報学部 ε11
SFC研究コンソーシアム「トランスパ ブリッシングシステム(TPS)」の研究成果の実演・展示を行います。
ハイパートランザクションシステム 苗村 憲司環境情報学部 ε11
JIPDECからの受託研究「ハイパートラ ンザクションシステム(HTS)」の研究成果の実演・展示を行います。なお、 HTS実証実験の一部を兼ねます。
目の動きによって視環境を評価する 福田 忠彦環境情報学部 εロビー
さまざまな視対象を観 察する際の眼球運動を計測すると、視対象の特徴やこれを観察する際の人間の 受容特性や行動特性が明らかになります。このような切口で、環境と人間の整合を 考えるのが我々の研究手法です。今回は、数々の具体的な研究成果を示します。 主なものとして、以下のような成果があります。
(1) 海上における船舶の見張り行動
(2) 照明景観の評価
(3) 化粧の効果に関する評価
(4) スポーツにおける目の使い方
(5) 各種メディアの見方(新聞、漫画、テレビゲーム、テレビCMなど)
概念メディアベースプロジェクト 石崎 俊環境情報学部 εロビー
概念メディアベースプロジェクトはSFCのコンソーシアムで実施中の共同 研究「概念メディアベースの構築とその応用」を中心に石崎研究室で関連す る研究をまとめたものです。 数万語に及ぶ概念が連想実験によって定量的な距離空間で表現されていま すが、それに形容詞などの感性語を加えた概念ベースを構築しています。さ らにマルチモーダル対話に関するコーパスと、それにマルチモーダルなタグ を付けたデータを使用して対話理解や照応解析を行ったり、ニューラルネッ トワークを用いたテキスト要約などの研究を展開しています。 それらの自然言語処理システムを中心にして、感性語を用いた認知科学的 な研究の紹介も行う予定です。
Cyber Sensei: Digital class, open classrooms
An education medium for the new millennium
新世紀の教育メディア
Garren Mulloy環境情報学部 ε12
Cyber Sensei is a way of education which allows for subjects to be taught in the environment, and with the materials, most appropriate for efficient learning. Lessons are taught by the virtual "Cyber Sensei" through video, CD-ROM, and web formats. An experimental class, "Image and Imagination", is currently being taught in the Modular English programme to explore the possibilities for future development of the educational concept.

サイバー先生とは、学生が専門分野を効果的に学習する最適な環境を、効果的学 習に最適な手段を用いて提供する、画期的な教育手段である。講義は、ビデオ、 CD-ROM、ウェブ形式を通して画面上に登場する"サイバー先生"が行う。 実験的クラスの一つである"Image and Imagination"は、教育コンセプトの将来的 発展の可能性を見出すため、モジュラー・イングリッシュのプログラム内で現在開 講中である。
■アートワーク層
タイトル 研究者名学 部 会 場
Distanced Furnitures" 藤村 憲之政策・メディア研究科 κロビー
他人との会話や手紙のやりとりといったコミュニケーションの行動は、元はと いえばみのまわりの町の空間で、道端で、路地で、広場で、井戸端でさかんに 行われていたものでした。携帯電話、インターネットといったコミュニケーショ ンの道具がさかんにもてはやされる現代ですが、一方で新たに作り替えられてゆ く町の空間は、人の移動や管理に都合のよいものではあっても、そこから新た な出会いや会話が生まれるものではなくなっているのではないだろうか。 Distanced Furniresは、観客が参加することのできるインタラクティブな展示 を前提とした作品であり、公共の場所で展示されることによって、普段はすれ 違っているだけの"他人"とどのような繋がりをもてるのか、様々な方法で観客 と共に考えることを意図しています。
Distanced Furniresは、センサーとモーターがつけられた、複数のゆり椅子と、 それらをコントロールするコンピュータから構成されています。これらは眺め るための作品とは違い、実際にそれらにふれ、座り、動かすことではじめて作 動します。現在のところ、4つの椅子が互いにその揺れの角度を伝え合い、誰 もすわっていなくとも他の椅子の揺れに応じて椅子が自分でその姿勢をかえる ようになっています。椅子を題材に選んでいるのは、どこにでも移動ができ、 かつ周囲の空間のあり方に影響をおよぼすものだからです。また、椅子同士を 向かいあわせにおくことで、偶然いあわせた他人同士がこのしくみを媒介に会 話することを意図しています。
Distanced Furnituresは以下の3つの展示方法を想定し、展示の機会を探って います。
・広場のような空間に向かいあわせにおくこと
・人が普段たちいることのできなくなってしまった道路をはさんだ対岸に向か いあわせにおくこと
・遠く離れた場所におかれた二つの椅子達のあいだで、揺れを信号として伝え あうこと
文化遺産のディジタルアーカイブ 久保 幸夫環境情報学部 κロビー
文化遺産の保全のための、ディジタル 技術の開発と利用を進めています。現在までに開発した技術と、その利用例 (カンボジア・アンコール遺跡など)を紹介します。
「情報化空間の建築デザイン」 池田 靖史環境情報学部 AVホール
建築空間デザイン における情報化は単なる情報設備の収容スペース確保のレベ ルではなく、ネットワークメディアとしての情報空間と身体的なメディアとし ての建築的空間の融合化による相互補完関係の構築にあります。この展示はSFC デザインスタジオ棟とSFCマルチメディア会議室の事例を通してこうした身 体的空間と情報空間の一体的機能強化を目指した建築デザインの研究について 展示を行います。
「新研究棟デザイン・ラボとデザイン・スタジオ」 葉 祥栄政策・メディア研究科 AVホール
新研究棟の紹介と設計趣旨説明をパネ ル展示と模型展示で行います。
CG教育ソフトウエア はにわ 千代倉 弘明環境情報 学部 κロビー
Internetを利用し、コンピュータグラフィックスを自学習するソフトウエア 「はにわ」を紹介いたします。