SFC Open Research Forum 2007
toward eXtremes
未来創造塾の挑戦

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toward eXtremes に込める想い

 未来を構想し、その実現に向けてあたらしい実践を生み出すこと。それが、開設以来揺るぐことのない、湘南藤沢キャンパス(SFC)の使命(ミッション)です。未来を創造するのは、「並大抵ではない」スケールや価値観、「見えないものを見えるようにする」技術と技法、そして「何が起きても動じない」地に足のついた行動力です。つまり、さまざまな“極端(eXtremes)” を想起し実現を試みることが、未来の創造へとつながるのです。いまこそ、メインストリームからエクストリームへと転回する時です。

 『福翁自伝』のなかに、「事をなすに極端を想像す」という一節があります。「… 元来私が家におり世に処するの法を一括して、てみじかに申せば、すべて事の極端を想像して覚悟を定め、マサカのときに狼狽せぬように後悔せぬようにとばかり考えています。」という佇まいは、たんなる心の安定の問題ではないはずです。経済活動、学問、そして人との交遊においてさえ、極端な状況を慮るという福澤諭吉の流儀こそが、自身独立の主義を貫きとおす原動力になっていたのではないでしょうか。その流儀とは、つねに「可能性の範囲」を見極めることに他ならないのです。

 微小な世界や極限環境と呼ばれる、われわれにとっての非日常を「リアル」に感じること。「マージナル」ではなく、「ロングテール」として観察される事象に向き合うこと。絶え間なく蓄積されてゆく、膨大なデジタルデータの海を泳ぐこと。50年後、100年後の社会や生活を足元から語ること。メディアとテクノロジーによって変容する、あたらしい身体感覚を獲得すること。ネットワーク環境を前提とした、コミュニケーションや心のありようを理解すること。こうしたエクストリームな流儀を、キャンパスからまちへ、まちから地域へと拡げることが、これからの課題なのです。

 “toward eXtremes”は、SFCがキャンパスという従来の枠組みを超え、あたらしいまちづくりや地域との共創をも視野に入れた、未来の創造へと転回してゆく宣言なのです。

実行委員長挨拶


SFC ORF2007 実行委員長
SFC研究所 所長
総合政策学部教授

國領二郎

ORF(オープンリサーチフォーラム)は皆様をSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)と一緒に先端を考え、創る動きへのお誘いする催しです。今年はtoward eXtremes-未来創造塾の挑戦-をテーマに掲げさせていただきました。未来は現在の主流(平均値)の中にはなく、常にextreme(極みの世界)の中にあるはずです。
不確実で不安定なextremeの世界にあえて踏み込み、解明し、新しい突破口を見出すことが、未来先導を標榜する慶應義塾の実験キャンパスとして位置づけられているSFCの使命であると考えています。

具体的には未来構築に向けたメッセージをSFCの教育・研究パートナーの皆さんと一緒になって社会に向けて送りたいと思っております。SFCは毎年300前後共同研究契約を結び、研究者や学生が企業研究者の皆様などと肩を並べながら、社会の問題を具体的に解決する仕組みづくりをしています。そこで生まれた新しい社会のビジョンやそれを実現する道具を、広くご来場いただいた皆様に語り、お見せすることで、新しい仲間が増えたら大変幸せです。皆様のご参加を心からお待ち申し上げています。

ORF実行委員会委員

●委員長:國領二郎
●副委員長・顧問:熊坂賢次小檜山賢二
●副委員長:脇田玲
●委員:稲蔭正彦加藤文俊重近範行田中浩也古谷知之大前学竹ノ上ケイ子宮川祥子井庭崇土屋大洋
梅嶋真樹牧兼充、後藤百紀