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協働プラットフォームのデザイン

國領 二郎  総合政策学部 教授

寄付金トレーサビリティにおけるプラットフォームデザイン

 寄付には下記のような問題が存在します。第1点は日本の寄付への関心の低さです。寄付という行為に関して、日本は欧米に比べてその関心が低いと言われています。年間寄付総額を比較してみると日本は約6000億円であり、その内訳を見ると個人寄付が約1000億円、企業寄付が約5000億円となります。これに対して、アメリカは個人寄付が約16兆円、企業寄付が1.2兆円です。確かに両者の間に圧倒的な金額の違いがあります。第2点は寄付の使途の不透明さがあります。近年、世界において寄付を騙し取る詐欺が相次いでいます。日本では、2年前にNPO法人やまびこ会が老人から寄付金として総額10億円以上を騙し取りました。アメリカにおいてもハリケーンカトリーナの義援金を狙ったフィッシング詐欺が起こりました。こうした事件により、寄付をしない理由の中で寄付に対する信頼性の低下という項目の割合は高くなっています。この2つの問題意識が本研究を始めたきっかけです。Open Research Forum 2008では、我々が提案する寄付システムのデモを行います。このシステムの特徴は「誰が、いつ、どこで、いくら寄付したかを管理し、使途を個別にフィードバックできる」というトレーサビリティ性、そして「社会貢献を疑似体験できる」というエンターテイメント性にあります。ORFでは、来場者の方々にORFマネーという仮想の貨幣を配布し、本システムを体験して頂きます。


スーツケース・デモ

場所
40階

プロジェクト代表者

クマール ラトネッシュ

 

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