おわりに


以上、北朝鮮語と韓国語の子音と母音における長短の差や音節ことに区別される発音問題について調査してみた。母音では声道の長さと共鳴腔の相互作用により母音の音質が変わってくるのを詳しく説明した。

子音に関する音響音声学的な研究は、韓国では有声性(Voicing)、有気性(Aspiration)、緊張性(Tenseness)、鼻腔性(Nasality)、音長(Duration)、発声待機時間(Voice Onset Time)、同時調音(Coarticulation)などのさまざまなパラメータを研究しているが、北朝鮮では大体の場合、音の長さの研究に限られていることがわかった。しかし、韻律の研究においては、多様なアプローチがあることもわかった。北朝鮮の文化語を基本を律動で確認し、律動を成り立てる拍と強弱の程度を基本周波数の流れと比較する体系的な研究を行っていることがわかった。

 

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TAE-MIN UM <mailto:tum17@mag.keio.ac.jp