政策・メディア研究科修士課程1年
米田 元洋(Motohiro Yoneda)
本研究ではE-CELL System を用いた心筋細胞のモデリングを目的としている。 現在、Kyoto ModelをE-CELL System上で完全に再現することを目指している。
これまで E-CELL では表現していなかった膜電位という概念を導入した。そして膜
電位は負の値をとることが一般的であるが、この膜電位を E-CELL に実装した。
また心筋細胞のモデリングにあたり、頻繁に使うことになる複雑な式について
は汎用reactorとしていつでも簡単に使えるようにすることを目的に仕様を心筋
のメンバーで決定した。今期は膜電位は神経シナプスでも必要ということもあり、
膜電位の実装は E-Neuron プロジェクトの渕側君と共同で研究を行った。実際に
行ったこととしては E-CELL のシステムに膜電位を格納することができるクラス
を膜クラスを継承する形で付け加え、膜電位のデータのやりとりを行うための
reactorを作成した。
またモデルの移植をすすめていく過程で、Shonan ModelとKyoto Modelとの比較し、動作の検証を行ない、電気生理学的実体とモデルの相関について述べ
る。
現在の京都モデルをE-CELL Systemに完全に再現することができた後は、
1. 解糖系、呼吸鎖を実装し、ATP産生についてモデル化する。呼吸鎖について
は、相当部分を抽象化してもかまわない。
2. IAA、CNの効果をモデルに組み込む。最初は近似的に組み込み、必要な実験
を付加しつつ、徐々に生物学的なモデルを構築する。
ということを行う予 定である。