2003年度 森泰吉郎記念研究振興基金 国際共同研究・フィールドワーク研究採択 研究成果報告書

実空間インターネットにおける協調モデルの形成と実証

5. 実験の実施

5.1 第5層における検証

  1. 予備実験
    • WIDE Hour の運用実験
      • 期間: 2003年9月8日〜
      • 参加者: 190名
      • うち信用値が 0 以外: 63名
      • 現在までの総ログイン数: 1,195回
      • WIDE 合宿期間中の取引数: 361件
      • 現在までの総取引数: 762件
      • うち事務局以外によるポイント贈与: 691件 (約91%)
      • 空取引と考えられる取引数1: 296件 (約39%)

      2003年9月8日より、WIDE プロジェクト内にて、 LETS システム "WIDE Hour" の運用を行なっている。 9月8〜11日は WIDE 合宿の期間であり、 期間中はメンバが RFID タグを携行し、タグの認識によるポイント分配を行なった。 信用値を向上させるための、取引の実態が伴わない「空取引」が横行したが、 ポイント交換におけるインセンティブに反応し、 人々が行動を起こすことを実証できたと考える。

  2. イベント

    以下のイベントにて RFID リーダを設置したが、 RFID 関係のイベントやシンポジウムなどが多く、 こども向けのイベントを行なうには至っていない。

    1. Auto-ID Seminar
      • 日時: 2003年10月27日(月) 9:30-18:00
      • 会場: 六本木ヒルズ (森タワー 24F)
      • 期間中の登録者数: 15名
      • 期間中の取引数: 15件

      Auto-ID センター (現 EPCglobal) のセミナーにてデモンストレーションを行なった。 (写真 5-1)。 業界関係者の方々が多く書籍を購入し、実験に登録してくださった。

      Auto-ID Seminar 写真 5-1. Auto-ID Seminar での展示およびデモ

    2. NETWORKERS 2003
      • 日時: 2003年10月30日(木),31日(金) 10:30-18:00
      • 会場: 赤坂プリンスホテル
      • 期間中の登録者数: 7名
      • 期間中の取引数: 17件

      シスコシステムズのショーである。 Auto-ID センターのブースにてデモンストレーションを行なった。

    3. SFC OPEN RESEARCH FORUM 2003
      • 日時: 2003年11月20日(木) 10:00-20:00, 21日(金) 9:00-17:30
      • 会場: 六本木ヒルズ (森タワー 24F)
      • 期間中の登録者数: 31名
      • 期間中の取引数: 40件

      SFC の研究成果発表会である。 大勢の方々が書籍を購入し、実験に登録してくださった。

    4. J-KIDS 大賞表彰式
      • 日時: 2003年11月22日(土) 14:00-16:00
      • 会場: 損保ジャパン新宿本社ビル 43F
      • 期間中の登録者数: 4名
      • 期間中の取引数: 5件

      参加者への書籍の配布などを行なった。

    5. 21世紀 COE プログラム 国際シンポジウム
      • 日時: 2004年1月22日(木) 9:00-20:00, 23日(金) 9:00-18:40
      • 会場: 慶應義塾大学 三田キャンパス 東館
      • 期間中の登録者数: 2名
      • 期間中の取引数: 8件

      この研究についてのポスター発表を行なった (写真 5-2)。

      COE 国際シンポジウム 写真 5-2. COE 国際シンポジウムでのポスター発表およびデモ

    6. 日本洋書協会セミナー (予定)
      • 日時: 2004年2月27日(金) 14:00-15:30
      • 会場: ルーテル市ヶ谷センター

      この研究に関連する講演を行ない、 システムのデモンストレーションも行なう予定である。

  3. フォーラム

    2003年12月22日より、実験サイト にてポイント交換を実施できるフォーラム(掲示板)の運用を行なっている。

5.2 その他の層における検証

  1. 第1層の検証実験

    2003年12月6日、埼玉県朝霞市の(株)ティー・エヌ六十の倉庫にて、 返本された書籍の棚卸しを行ない、タグの破損率などを計測した (写真 5-3, 5-4)。

    棚卸し作業 写真 5-3. 棚卸し作業

    棚卸しされた書籍(途中) 写真 5-4. 棚卸しされた書籍(途中)

  2. 第2層の検証実験

    初回の棚卸しの記録と、 次回の棚卸し (2004年6月頃を予定) の記録を照会することにより個体の追跡を行なう。


1 取引理由を示すメモが10文字未満の場合、 正当な理由のない「空取引」であると見なして計算した。

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