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機能要件の対応手法

本節では3.節で述べた 利用者主導型VPNの機能要件への対応手法を述べる.

  1. ノード単位のアクセス制御

    Shepherdでノード単位のアクセス制御を実現するため,フォールドという概念を導入する. フォールドはVPNを介した相互通信が許可されたノードの集合で, フォールドの複数定義でき,単一ノードによる複数のフォールド参加も可能である. 図 3の例では fold 1 と fold 2 のように2つのフォールドが作成され, $n_a$$n_b, s_b$ と, $n_b$$n_a$ とVPNを介した通信が可能である.

    Figure: フォールドの概念

    \includegraphics[width=7cm, clip]{figure/fold.eps}

  2. 既存PNの物理的変更
  3. 既存PNの論理的変更
  4. 少ない機構導入回数

    3.2節で述べたように, ShepherdはEthernetフレーム集約手法として Proxy ARP を用いることにより, 導入時の3つの機能要件を同時に達成する.

  5. 接続先の容易な発見

    Shepherdは接続先の発見手法としてインスタントメッセンジャのオープンプロトコルである XMPP (eXtensible Messaging and Presence Protocol) [10] を用いる. インスタントメッセンジャのサービスを提供するXMPPサーバにシェパードノードのアカウントを作成し, そのアカウントを用いて両者がXMPPサーバにログインすることで, XMPPサーバから互いのIPアドレスなどの情報の通知をうける.

  6. IPアドレス衝突の回避

    Shepherdは異なるPNのノードの送信先IPアドレスの決定手法として, 既存アドレス空間を拡張することにより解決する. ShepherdはPNのアドレス空間から未使用IPアドレスを発見し,送信先IPアドレスとする. その送信先IPアドレスを宛先としたIPパケットはShepherdによってフレンドシェパードによって転送され, 受信したシェパードノードはそのIPパケットの送信先IPアドレスを送信先ノードの実際のIPアドレスに書き換え, ノードに送信する.



root 2007-03-08