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実録!ビヨンド社のイノベーション ~ A.N さん

A.Nさんは私がノートパソコン立ち上げに関わった際、お世話になりました。当時はハードウェア部隊を統括され、新型ノートPCシリーズを世に送り出しました。私はまさにその現場の目撃者でもあるので、今回のA.Nさんのお話しをとても興味深く伺いました。今も昔も人間関係にヘタクソな私は、あっちこっちぶちあたっては軋轢を作りまくっていたのですが、そんな私ともA.Nさんは、当時湘南テックから品川までの東海道線で、やさしく、やんわりとお話ししながら、アドバイスや率直な意見などを頂けたことを良く覚えております。そうそう方針を曲げたりしない強さと、下々の意見を吸い上げる柔軟さ、その両方を持っていらっしゃる方だと、私は思っております。

WSK-3000

ビヨンド社が誇るワークステーション、WSKシリーズをご存知でしょうか。今はWindowsやMacが当たり前、ワークステーションなんて言う言葉も聞くことは少なくなりました。UNIXと呼ばれるOSの派生形、FreeBSDを搭載した業務用コンピュータ、ワークステーションです。1987年に初お目見えしたWSKシリーズ820のスペックは、HDD86MB/Memory 4MB/CPU 16MHz で \1,550,000-。今見るととんでもない高さに見えるかもしれませんが、主にDTP業務や研究用途などプロ向けの機材がパーソナルなものになることを予感させるに十分な仕様とお値段であり、その登場感は相当なものだったと聞きます。WSKシリーズの立ち上げ自体は、現在開発本部にいらっしゃるB.EさんとD.Cさんが立ち上げたものです。

当時、G.Hさん(現役員)の元でCD-ROM、CDI、MMCDと言った、CDを使ったアプリケーション検討部隊でハードウェア設計をしていたA.Nさん。M.Yさんに誘われて、同じG.Hさん管轄のWSKシリーズ第3世代、WSK-3000のPLとして活躍されます。

新型Notebook PC立ち上げ

あまり知られていないように感じますが、現在ビヨンド社の取締役、L.Nさんは、当時別会社ノートパソコンのOEMビジネスの立ち上げ、成功を収めています。製造は現在はVAIOの基幹工場であるビヨンド社デジタルプロダクツ、現在ビヨンド社EMCS 長野サイトでした。WSKシリーズからも引き継がれる、OEMによるその設計・製造ノウハウを用い、G.Hさんのリーディングで新型ノートパソコンを立ち上げることになります。A.Nさんはその際、G.Hさんのお声掛け一つでVAIO立ち上げ部隊に参加することになったと言うことです。新型デスクトップパソコンがIntel社との協業と言う形で、USにて立ち上げ作業が行われている一方で、新型ノートパソコン部隊は、DELL OEM部隊と、携帯端末マギックポッドに関わっていた部隊を融合し、その立ち上げが始まります。

薄型ノートパソコン立ち上げの成功へ

主にL.NさんOEM部隊で編成されたチームを統括されたのがA.Nさんであり、この部隊が新型ノートPC として世にノートパソコンの産声を上げることとなります(ちなみに私も、この機種のBIOS担当者として参加しています)。その基本的なアーキテクチャを受け継ぎ、ごりさんの愛称で親しまれる伊藤さん率いるマギックポッド部隊を主軸にしたチームが超薄型ノートパソコンを、ビデオカメラ圏から、E.Oさん直々に引き抜いた剛腕、B.Hさん率いる部隊が超小型ノートパソコンを次々にリリースし、新型ノートパソコンの位置を不動のものとしていきます。なお、初号機新型ノートPCが発売となる半年ほど前に、ノートパソコン全体の統括は、G.HさんからE.Oさんとなります。G.Hさんは更に高い位置でVAIOを指揮していくことになります。

G.HさんITビジネスの流れと混成部隊の強み

G.Hさんは元よりIT系ビジネスに関わられており、DTPやCDのマルチメディアへの応用と言った現在ではITの中核となった商品群のビジネス化を担っておられました。A.Nさんはその流れと共に、イノベーションの現場を担いました。

更に、DELL OEMメンバー、マギックポッドメンバーと言った混成チームが功を奏した面が見受けられます。この混成が、目玉となる商品を継続的にお客様へお届け出来たのではないでしょうか。

イノベーションに向けて

A.Nさんは、若い人にもっともっと、自由に提案して欲しいとおっしゃいます。そして、それは案外、会社の外の知見の中に、面白い世界があって、ビヨンド社の様々なアセット(製造・設計・営業)とリンクさせることが、次のイノベーションに繋がっていくのでは、と感想を述べられていました。結局、会社の中で悶々と考えていても、新しい発想はなかなか出てこないのではないか。私も、この活動に限らず、外部の人達と触れあう中で、新しい・面白い提案をしていきたいと思いました。

Beyond internal use only [社外秘]