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World Wide Web

WWWは、欧州のCERNgifで開発された分散データ ベースで、クライアントサーバパラダイムに基いたHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)と呼ばれる通信プロトコルで成り立っている。原理的には、クライ アントがある項目を要求するとサーバがそれに応答するという単純な仕組であ り、このクライアントとサーバの役割分担が固定的であるため、WWWは典型的 なクライアントサーバシステムである言える。

WWWサーバは、クライアントからの接続要求を待ち、要求された情報を送り返 して接続を切断し、次の接続要求を待つというタスクを繰返し実行している。 一方WWWクライアントは、原則としてブラウザ(browser)と呼ばれるソフトウェ アを用いてHTMLパーザとHTTPクライアントの機能を使い分けることで、ユーザ にWWW上の情報を提供する。ブラウザはユーザの入力に基いてHTTPクライアン トを起動し、サーバに情報を要求する。また、サーバから取り出されたHTMLと 呼ばれるフォーマットで記述された情報をHTMLパーザを呼び出して解釈し、ユー ザに表示する。

WWWはそれ以前から存在していたハイパーテキストの概念を拡張したもので、 インターネット上に分散して蓄積されている文書を相互に関連づけ、ハイパー リンクというリンクをたどることで連鎖的に情報を引き出すことが可能である。 1993年にMosaicというブラウザ(WWWの閲覧ソフトウェア)が開発されてから は、文書にテキストだけでなく画像や音声を含めることが可能になり、ハイパー メディアシステムとも呼ばれるようになっている。このMosaicの登場をきっか けに、1994年頃からはWWWブームと言われる現象が起こり、以来WWWはインター ネット上での情報提供、および情報収集の手段として世界中で利用されるよう になっている。

  
Figure: インターネット接続ホスト数とWWWサーバ数の推移

gifはインターネット接続ホスト数とWWWサーバ数の推移を示したもの である。どちらも一貫して指数関数的な増加傾向にあることが分かる。WWWサー バの総数は2000年に入ってから1,000万台を越えており、全ホスト数に占める 割合も20%近くまで伸びている。



OCHIDA Tadashi
Sat Feb 10 01:41:46 JST 2001