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定性的評価

Shepherdを他の機構と比較し,定性的評価を行う. 3.1.1節で述べたVPSN構築機構,およびポートフォワーディング機構を本評価の比較対象とした. 具体的にはp2pcug [2], ELA [4] [5], i3 [6], hamachi [7], SoftEther [3], SSH[9], SOCKS [8]を比較対象とした. 3. 節に述べた利用者主導型VPNの機能要件を評価項目とする. ただしノード単位のアクセス制御が可能な機構を評価対象としたため, この機能要件は評価しない.

評価結果を表2に示し, 以下で評価項目と評価理由を述べる.


Table: 定性的評価の結果
  項目 1 項目 2 項目 3 項目 4 項目 5
Shepherd
p2pcug × ×
ELA × ×
i3 × ×
hamachi ×
SoftEther (Bridge) × × ×
SoftEther (Router) × × ×
SoftEther (Flat) × × ×
SSH × × ×
SOCKS × × ×

  1. ネットワークの物理的変更不要

    P2P-CUGは, ノード群とルータ間に特殊なノードの配置が必要なため×とし, その他の機構は○とした.

  2. ネットワークの論理的変更不要

    SoftEtherをRouting Model として用いる場合, ルータへのルーティングテーブルエントリの追加が必要となるため×とした. その他の機構は○とした.

  3. 少ない機構導入回数

    ELA, i3, hamachi, SSH, SOCKS は, アプリケーションを利用する全ノードへの機構導入が必要なため×とした. その他の機構は,PN毎に一度導入するだけで良いため○とした.

  4. 接続先の容易な発見

    ShepherdはXMPPを用いて発見するため, p2pcugはCUG管理サーバを用いて発見するため○とした. その他の機構は×とした.

  5. IPアドレス衝突の回避

    Shepherdは既存アドレス空間を拡張して送信先IPアドレスを決定するため, i3はノードの送信先としてIPアドレスではなくIDを指定するため, ELAとhamachiは新しいアドレス空間のアドレスを割り当てるため○とした. それ以外の機構は×とした.

以上の評価結果から, Shepherdのみ評価項目が全て○となった. Shepherdは利用者主導型VPN構築機構の要件を全て満たした機構であると言える.


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root 2007-03-08