RF-IDに代表される個体識別技術がネットワークと結合した時、近代の大量生産、大量消費システムの中で失われた「つながり」を取り戻す展望が生まれます。食品を例に考えると、いま生産者は自分が作った作物を誰が食べているのか見えませんし、消費者も自分が食しているものを誰が作ったか知らず、不自然な状態といえます。一つ一つの商品にIDをふってネットワークで検索ができるようにすることで、切れたつながりが回復します。作った人と使う人がお互いに「顔の見える関係」の再構築です。
大量生産の効率性追求の中で失われた関係性
を回復することで、消費者は安心を得、生産者は消費者に個別化された「あなただけ」のサービスを提供する機会を獲得します。近代の生活の知恵であるプライバシーの折り合いをどうつけるかなど、難しい問題もありながら、この技術を信頼に立脚した安心と活力のある経済・社会構築に結び付けていくことが重要なゆえんです。
本ラボではRF-IDだけでなく、多くの個体識別技術の可能性を検討した上で、それらを基盤としたビジネス・社会モデルの未来像を展望したいと思います。我々にとっても未知の世界の探訪ですが、ご一緒に未来を切り拓く活動を推進させていただくことを楽しみにしております。