Context Toolkit[3]は移動端末ユーザなどに対して状況 適応型アプリケーションを提供するためのソフトウェアツールキットである. Context Toolkitを使用することにより,簡単に状況に適応する環境をユーザ に提供可能である.
Context ToolkitはContext widget,context aggeregator,context interpreterという三つのブロックで構成されている.図 1にその様子を示す.
context widgetは位置などに関する情報をカプセル化する.これにより,状況 適応型アプリケーションはセンサデバイスそのものを扱う必要はない. context interpreterは状況の抽象化や解釈に使用される.たとえば,context widgetが緯度経度情報などを取得したが,アプリケーションは道の名前を知 りたいとする.このような場合,context interpreterがこの抽象化を行う. context aggeregatorはcontext widgetと似ているが,context aggeregatorは 複数の情報を受けることが可能である.これにより,複雑な状況も認識するこ とが可能である.これら三つのブロックにより,センサデバイスは状況適応型 アプリケーションに対して隠蔽される.
しかし,Context Toolkitは状況適応型アプリケーションを作成するためには, OOPS(Organized Option runing System)と呼ばれるGUIツールを使用しなけれ ばならない.そのため,柔軟性に欠けると言える.