所長挨拶
オープン・イノベーションをもたらす産学官共創のプラットフォーム
SFC研究所は、国内外の多様な知の相互作用によってイノベーションをもたらし、新しい未来を創造するための先導的なプラットフォームです。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は、1990年の開設以来、「未来を創るキャンパス」を標榜して、従来の学問領域に拘泥することなく、「問題発見・解決」を中軸に据え、「知の再編」を嚮導してきました。
SFC研究所は1996年に発足。大学院政策・メディア研究科、健康マネジメント研究科、総合政築学部、環境情報学部、看護医療学部の附属研究所として、SFCにおける先端的な研究や社会・地域との連携を推進するプラットフォームの役割を担っています。2021年度には、40をこえる「ラボラトリ」(先端的研究ミッションを持つ横断的な研究グループ)、30をこえる「SFC研究コンソーシアム」(SFC研究所と複数の外部機関によって展開される共同研究)を擁し、産官学からの約500名に及ぶ上席所員、所員などの訪問研究者とともに、社会を元気にするようなユニークな研究を展開しています。このように、SFC研究所は、産官学連携による先駆的な知の創造において、圧倒的な経験、実績があります。
また、研究成果をもとに起業したり何かの実践をするなど、さらに一歩踏み出すような人を物心両面から支援する制度も充実しています。例えば、慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)では、起業家やベンチャー企業にオフィススペースを提供し、さまざまな事業創造のための支援、サービスを提供。その結果、営利、非営利を問わず、数多くの起業家を輩出し、まさに百花繚乱の様相です。
このように、SFCには、新しい知を生み出し、その成果を社会に還元するためのさまざまな仕組みや生態系が整っています。そして、イノベーションを巻き起こすために大切な、「面白い」を共有できる文化が醸成されているといえるでしょう。
福澤諭吉は、『学問のすゝめ』で、「学問の要は活用に在るのみ。活用なき学問は無学に等し」(十二編)と記しています。私たちは、躬行実践、自我作古の精神で、活用ある学問を推進します。そして、変わり続けるということを変わらない志として、皆さまとともに明るい未来の創造に挑んでまいります。今後ともご理解、ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。
慶應義塾大学 SFC研究所
所長 飯盛義徳(総合政策学部教授)