Ambient IoT通信研究コンソーシアム

Ambient IoT Communication Research Consortium

開設2024年3月14日
代表者
三次 仁
環境情報学部 教授
連絡先
E-mail:amiot[at]sfc.keio.ac.jp
Tel:0466-49-3447
[at]は@に変換してください。

■背景

⼈⼝減少のトレンドが続き、⾼度成⻑期に構築したインフラや建物・構造物が⽼朽化する中、事故や故障による過⼤な損害を防⽌するため情報通信技術を⽤いて、⼈⼿に依存しない保守点検が求められている。

こうした⼈⼯物と情報システムとをつなげる技術領域や応⽤はInternet of Things (IoT)と表現されることが多い。IoTの普及、実⽤化のためには、⼈⼯物と情報システム間で双⽅向にデータをやり取りするアクセス技術が特徴的であり重要である。無線通信は、双⽅向にデジタル情報をやり取りできるIoTに有効なアクセス⽅式であるが、従来の無線通信⽅式では、⼈⼯物に取り付ける無線センサに⾃ら電波を発射する機能が必要であり、そのための電源を電池などで確保する必要があった。近年では、電池の不適切な廃棄による事故や環境汚染、宇宙環境など電池ができない利⽤環境、電池に使われるレアメタルの再利⽤の困難さなどの問題もあり、電池利⽤を前提としたIoTの実現には限界があり、電池なし無線センサへの期待が⾼まっている。また、Industry4.0に⾒られるように、AI+IoTによる⼯場の⾼度な⾃動化、設備保全の極限的な効率化への期待も⼤きい。

後⽅散乱(バックスキャッタ)通信は、電波の反射を利⽤した無線通信⽅式であり、省電⼒無線⽅式として良く知られているBLE(Bluetooth Low Energy)の1/1000程度の電⼒(10uWオーダー)で双⽅向通信を実現できる。このレベルの電⼒は、現⾏無線法令の範囲内での無線電⼒伝送で賄うことができ、電池フリーの無線センサを実現可能である。SFC研究所では、この分野に早期から着⽬し、後⽅散乱通信研究コンソーシアムを2019年に発⾜した後、2度活動期間を延⻑し2025年3⽉までの予定で、バッテリフリー無線センシングシステムの開発を産学連携で進めながら、ISOにおける標準化も推進してきた。

この間、ISO/GS1が中⼼となって進めてきたRFID(Radio Frequency Identification)の実⽤化が急速に拡がるとともに、ITU、3GPP、IEEEでも無線給電、エネルギーハーベスティング、蓄電回路技術とバックスキャッタ通信を組み合わせて電池なし無線センシングをインフラ的に実現するambient IoTが⽴ちがってきた。

こうした背景からambient IoTに関⼼を有する企業(パナソニックホールディングス、デンソーウェーブ、富⼠通セミコンダクタ-メモリソリューション)と検討を進めた結果、ambient IoTを主たる研究ターゲットとした新たな研究開発コンソーシアムを設⽴し、この重要な分野の研究拠点を構築することとなった。

 

■目的

Ambient IoT通信研究コンソーシアムの⽬的は以下である。

・30m級通信距離、MHz帯域幅のAmbient IoT通信を構成する端末および読み取り装置、電⼒供給装置に関する要素技術の研究開発

・Ambient IoT通信を構成する技術要素を組み合わせた技術検証実験および、実⽤化を前提とした実証実験の企画・準備・実施

・Ambient IoT通信に関する競争的研究資⾦等の共同提案に向けた準備

・Ambient IoT通信に関する標準化活動や研究開発動向に関する情報開⽰および情報交換

 

■研究計画の概要

【1年目】

1.⾃律分散型の無線給電システムと慶応⼤学が有する後⽅散乱システムを組み合わせたデジタルビーコンを⽤いる無線給電⽅式の仕様と実現⽅式について共同検討する。

2.バックスキャッタ通信の⻑距離化、安定化、広帯域化を実現すべく、様々なパワーハーベスタを⽤いたWake up回路と、⾼感度検波・復調装置に関する基本回路構成について検討する。

3.上記の検討に基づいた基本装置を試作し、SFC(SFC-IV 102号室シールドルーム)で実験システムを構築し、基本構想の有効性を確認する。

4.ISO SC31において18000-65の国際標準化を推進するとともに、3GPP、IEEEのambient IoTの標準化についてもリエゾン活動を行う。

 

【2年目】

1.1年⽬の実験システムや机上検討を総合的に評価し、30m通信距離、MHz帯域のambient IoT通信を実現するための、無線通信⽅式と実現⽅法と研究開発スケジュールを定める。

2.研究開発を(1)通信⽅式、(2)端末、(3)読み取り装置にWG化し、WG単位で研究開発スケジュールに従って活動する。

3.WG単位などで、競争的資⾦などに応募し、研究開発リソースを確保する。

4.試作回路や装置について、評価実験、実証実験を実施する。

5.ISO、ITU、3GPPなどで標準化活動を行う。

 

【3年目】

WG単位などで研究開発、実証実験を進める。

ISO、ITU、3GPPなどで標準化活動を行う。

3年⽬の期末に、活動の総括を実施し、継続・終了を判断する。

構成メンバー

三次 仁代表 環境情報学部 教授
技術統括
市川 晴久 SFC 研究所 上席所員
通信システム
徳増 理 政策・メディア研究科 特任教授
デジタル回路
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