インターネット自動車

Internet Car

※本コンソーシアムは終了しました。掲載の情報は終了当時のものです

参加組織数1

背景

インターネットは様々なデジタル情報を交換・蓄積し、情報社会を支える基盤として成長を続けてきました。今後は、インターネットによる情報基盤を移動体にまで広げることが重要な課題となっています。このプロジェクトでは、この様な環境を実現するための足掛かりとして自動車に着目しています。
コンピュータにはバッテリが必要です。阪神大震災のような災害時には、電源がことごとく失われてしまいましたが、このときに電源供給の手段として活躍したのが自動車です。インターネットを介して被災者の情報が世界へ向けて発信され、災害時の通信手段として注目されましたが、このとき自動車のバッテリを使ってコンピュータを動かし、情報の受発信を行ったことはあまり知られていません。さらに、自動車は人間と共に自由に移動でき、自動車には様々な電子機器が搭載されています。これらをインターネットに接続することは、モバイル環境において重要な役割を果たします。
また、インターネットに接続し、車内だけでなく車外と情報をより容易にやりとりすることで、自動車を運転者、同乗者、そして社会全体にとって有用な情報環境とすることができるのです。

課題

このプロジェクトの目的は、インターネットと自動車を接続することを足掛かりとし、インターネットの世界を様々な移動体にまで広げることです。その過程において、そこに存在する問題点を明らかにし、これを解決していきます。主な研究領域は次の通りです。

1.インターネットにおける地理的位置情報の管理・利用に関する研究
2.地理的位置情報の生成支援
3.車載に適した計算機環境(ハードウェア、ソフトウェア両面)の検討
4.自動車環境とインターネット環境を考慮したアプリケーションに関する研究
5.移動体通信の新しい形態に関する研究
6.自動車情報の管理・利用に関する研究

特徴と研究計画

様々な業種の研究開発部門と協力して移動体に適した情報基盤を構築し、それに基づき多様なアプリケーションや新しい通信形態を提案、開発していきます。また、無線技術の応用や、動的に移動する計算機や自動車内の移動するネットワークといった移動型コンピュータネットワークとインターネットとの関係についても検討し、不安定な無線リンクに適したプロトコルやファイルシステム、移動透過性について研究を進めています。
さらに、前述の各研究領域において個別の技術研究開発を進めると同時に、それらを統合した形での、移動を意識した新しいインターネットのアーキテクチャを提案します。これらの研究活動は、実証実験として、自動車に組み込んだインターネット機構と、それを支えるインターネット上の支援機構によって行っていきます。

現状

現在、通信系業界、自動車系業界、地理情報系業界、計算機系業界の企業がこのコンソーシアムに参加しています。各社の協力によりインターネットによる情報基盤を移動体にまで広げるべく、取り組んでいます。
そして、研究の成果をより身近に感じられる現実の社会に適用し、普及させることを目指しています。

予想される成果

自動車をインターネットに接続し、車の情報化や移動体通信、移動計算機環境の技術を統合し、移動体通信環境を構築します。自動車を基盤とした研究の成果が、人や交通、物流といった移動体の他のさまざまな分野への応用を可能とします。

構成メンバー

村井 純代表 SFC研究所長 環境情報学部教授
中村 修 環境情報学部准教授
植原 啓介 政策・メディア研究科講師
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