IMS/SIP参照プログラム研究開発プロジェクト
Referenced Code Development for IMS/SIP system
※本コンソーシアムは終了しました。掲載の情報は終了当時のものです
研究課題
■ 次世代高度インターネットシグナリングアーキテクチャ(SIP)の研究
ねらい
現在のインターネットの技術的な体系を定めている概念はインターネットアーキテクチャとしてIETF(Internet Engineering Task Force)の構造に基づいて定義されているが、ここで定めるシグナリングアーキテクチャは、インターネットプロトコル(IP)が、すべてのノード(コンピュータなどの情報機器)間で普遍的にマルチメディアデジタル情報を交換するためのシグナリング体系を定めているもので、デジタル情報にセマンティックスを定義したメディアを適切に扱うための体系をさす。
本研究開発プロジェクトでは、グローバルに展開されるインターネット上で、マルチメディア情報をディジタルコミュニケーションプラットフォーム上で適切に転送するためのインターネットシステムにおける新しいシグナリングアーキテクチャを研究し、それを実証する環境の構築を行うことを目的とする。
研究のステップ
- インターネットシグナリング環境を構成するにための必要となるコンポーネントの抽象化を明確に定義。
- コンポーネント関係の定義を可能にするための基本システムの設計。
- 現在のインターネットを構成する様々なレベルのコンポーネントを統一的に取り扱えるオブジェクトモデルの設計。
- 情報の分散と自律性の直感的な判断を可能にするインタフェースの定義。
- これらの課題の実現。
- これらの課題の実証と評価。
本システムは、インターネットの設計、管理、そのプロトコル構造の概念の十分な理解と経験に基づき設計と実装を行わなければならない。また、自律・分散的に発展するインターネットの安定した運用を実現するためには、本システムの実現は不可欠なものである。
研究の進め方
- 現状のインターネットの利用と新しいメディアとしてのインターネット環境の分析と抽象化。
- 従来のインターネットシグナリングアーキテクチャ実現に関わるIETF、3GPP/3GPP2、ITU-Tなどの標準化動向の正確な把握。
- WIDEプロジェクト共同研究機構等とのテストベッド上での実証と関連各組織との共同開発。
- アジア太平洋ネットワークインフラストラクチャを中心とした国際実験環境の構築。
他のプロジェクトとの関係
WIDEプロジェクトとの連携による国内および国際テストベッドを用いた研究開発。
成果
- 研究成果の学術論文の発表。
- IETF、3GPP/3GPP2,ITU-T、TTCへの提案。
- 研究成果をまとめた図書の出版。
- 提案するアーキテクチャを用いたプロトタイプシステムのグローバルな公表。
- SIPシステムの検証ならびに相互接続仕様の作成と検証ソフトウェアの公表。
- 各種ソフトウェアの配布。
- 共同研究各社を通じた、プロダクト。
共同研究の意義と期待される成果
次世代インターネット環境における最大の課題の一つとして、応用分野の守備範囲が非常に大きく広がっていくという点が挙げられる。なかでも、実時間処理とそれを利用したアプリケーション群に関わる環境の実現と開発が重要となる。ここでアプリケーション群とは、人間が直感的にネットワークの情況を即座に把握できるような、情報のビジュアライゼーションに基づいたものである。
現在のコンピュータネットワークは様々な新しい可能性と力を持っている。 インターネット上の分散した知識や情報を、直感的に分かりやすいユーザインターフェースを用いて提示共有することが可能な技術の確立を行うことが本研究の目的である。これにより、あらゆるエンドユーザ向けのネットワークサービスは飛躍的に使いやすさが向上するため、利用者にも大きなメリットをもたらすだけでなく、利用者数増加にも大きな影響を与えると考えられる。それと同時に、ネットワークそのものが社会に浸透していくことにもつながるだろう。
■ 次世代インターネットシグナリングプロトコル(SIP)の参照プログラムの研究開発
目的とゴール
次世代情報基盤を推進するために、SIP(次世代インターネットシグナリングプロトコル)の規範ソフトウェア体系を開発し、広く公開・流通することを目的とする。
構成メンバー
村井 純代表 | 環境情報学部長・教授 |
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江崎 浩 | SFC研究所上席所員(訪問) 東京大学大学院情報理工学研究科教授 |
中村 修 | 環境情報学部教授 |
関谷 勇司 | SFC研究所上席所員(訪問) 東京大学情報基盤センター助教 |