デジタルツイン・キャンパス ラボ

Digital Twin Campus Lab

開設2022年6月1日
代表者
中村 修
環境情報学部 教授
連絡先
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
E-mail:junsec[at]sfc.wide.ad.jp
[at]は@へ変換してください

■目的

1990年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)が開設された際、SFCは将来の普及展開を見据えてインターネットを情報インフラの前提とした先端的なキャンパス環境が準備された。それから30年の間、研究・教育はもとより、教員および学生達の様々な活動はキャンパスネットワークの情報インフラを自由自在に使うことにより、未来を体現し、卒業後も未来の先導者となった。一方、その間の情報インフラ・無線通信技術の技術革新の速度は著しく、現在のSFCの情報インフラは、社会に対しその先端性を維持することが難しい状態となってきている。

本ラボは、今一度SFC開設時の情報インフラのコンセプトに立ち返り未来のあらゆる社会活動を支える情報基盤、すなわち未来の当たり前の情報環境を体験できる次世代キャンパスの情報基盤を考え、物理空間と仮想空間が融合した次世代の情報インフラの研究開発を行うと共に、およびその情報インフラ上に「デジタルツイン・キャンパス」を構築し、物理空間と仮想空間の相互連携による問題発見・問題解決の実践をおこなう。

具体的には、ネットワークインフラとしての5Gや6Gの携帯電話技術や移動体向けの次世代無線通信規格、キャンパスの物理空間のデジタル化には、各種のセンサ機器や動画像認識や空間センシングなどのマッシュアップ基盤、および3次元高精度地図と自己位置推定技術などの研究開発をおこなう。同時に、これらの情報を扱う上でのプライバシーやセキュリティに関する課題についての研究もおこない、規格化・標準化なども見据えた今後30年間の新しい情報社会の創出をおこなうための基盤に資する活動をおこなう。

 

【主な研究テーマ】

  • Unwired Communication Infrastructure

キャンパスにプライベートな5G環境を整備した上で、Local Breakoutを用いたモバイル網とキャンパスネットワークの相互接続および5G Coreの制御手法・運用に関わる研究開発をおこなう。5Gは1Gbps程度の広帯域な無線通信が可能であるだけでなく、MECとの連携やネットワークスライシングによる通信品質を考慮した通信が可能となる。このUnwiredなネットワークの構成方法、運用方法、そして、キャンパスへの展開手法などについて、具体的な5G/SA網をキャリアと連携して研究開発をおこなう。

 

  • Physical Information Infrastructure

3Dマップ情報を用いた物理空間のデジタル情報の提供環境の研究開発をおこなう。このマップは、地形と構造物を3Dモデルとして取り扱い、テクスチャを貼り付けた上で、Webインターフェースから可視化できる形式で提供され、様々な用途に利用される。例えば、空撮データにセンサーユニットを搭載した車両が測定したデータを追加して道路のベクトルデータを生成し、さらに車線や路側と交通規則のデータを追加することによって、自動運転に特化した地図として利用することができる。

 

  • Digital Twin Application

2021年から開発している5G/SA環境を用いたV2Xのアプリケーションについて、開発を継続すると共に、前述のPhysical Information Infrastructureを用いて、自動運転を支援するプラットフォームの実現を目指し研究開発をおこなう。また、ドローンやマイクロモビリティを活用した配送、センサ情報を活用した授業支援環境などについても研究開発と実証をおこなう。

 

研究活動計画の概要

1年目

[Unwired Communication Infrastructure]

1年目は2021年度において整備済みの5G/SAネットワークを拡張し、キャンパス全体をカバーするサービスエリアにする。また、大学が自律的に5G Coreの構成変更や運用できるようにし、Unwiredなキャンパスのあるべき姿について議論を深める。

[Physical Information Infrastructure]

1年目はSFCのキャンパスを含む藤沢市の周辺を空撮しキャンパスの3Dマップを作成する。また、作成したマップに投射するセンシング情報について議論を深める。

[Digital Twin Application]

1年目は自動運転社会において、歩行者や非コネクテッド車両などを含めた広範囲な登場人物に対して偏りなく安全性を確保するための情報を流通させることを目標として、センシング、共有、活用する意義のある情報やデバイス(例えば監視カメラやコネクテッド車両が装備するレーダーなど)についての議論を深める。

 

2年目

[Unwired Communication Infrastructure]

5G Coreを認証や端末制御の基盤として捉え、より高度なネットワークサービスを提供する方法を検討する。例えば端末の認証情報を応用し、さまざまなサービスのセキュリティやカスタマイズ性を高める技術について議論を深める。

[Physical Information Infrastructure]

キャンパス上で起こっている事象をデジタルツインとしてサイバー空間に拡大し、デジタルツインの基盤を構築する技術について検討する。例えば、IoTセンサーやカメラで測定した情報を3Dマップ上に投射する技術について議論を深める。

[Digital Twin Application]

自動運転社会における安全性確保に利活用する情報について、実際にPhysical Information Infrastructureに投射し、交通に係るさまざまな登場人物に対して情報を流通する方法や、情報の判別する技術について検討する。例えば、車両や歩行者の視野外の情報を互いに交換し、安全な車両運行に反映する技術について議論を深める。

 

3年目

[Unwired Communication Infrastructure]

2年目までの研究成果をもとに、MEC、認証と言ったサービスにおける実証実験を実施する。実証実験の結果を通じて、既存の法制度などについて課題があれば、必要に応じて提言をまとめる。

[Physical Information Infrastructure]

2年目までの研究成果をもとに、さまざまなセンシングデータを3Dマップへと取り込んでマッシュアップし、より複雑な現実空間の状況を反映したデジタルツインの実証実験を実施する。例えば、移動体のカメラをマッシュアップし、移動体の自己位置推定した情報などを3Dマップに投射していく。

[Digital Twin Application]

2年目までの研究成果をもとに、人や物体の移動に関する需要予測に基づく、自動運転または自動配送の実証実験をおこなう。実証実験の結果を通じて、既存の法制度や規格に関して課題があれば、必要に応じて標準化団体や業界団体に対して働きかけをおこなう。

 

構成メンバー

中村 修代表 環境情報学部 教授
全体統括
中澤 仁 環境情報学部 教授
プロジェクト推進
脇田 玲 環境情報学部 教授
プロジェクト推進
大前 学 政策・メディア研究科 教授
プロジェクト推進
植原 啓介 環境情報学部 教授
プロジェクト推進
村井 純 慶應義塾大学 教授
統括補佐
湧川 隆次 政策・メディア研究科 特任教授
プロジェクト推進
佐藤 雅明 政策・メディア研究科 特任准教授
プロジェクト推進
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