PHNクオリティマネジメント・ラボ
| 代表者 |
田口 敦子
看護医療学部 教授 |
|---|---|
| 連絡先 |
E-mail:ataguchi[at]sfc.keio.ac.jp
[at]を@に置き換えてご利用ください |
目的
多様化・複雑化する健康課題を抱える地域住民に対して、経験年数や経歴を問わずすべての保健師がエビデンスに基づく優れたサービスを提供することが求められている。そのためには、日々の業務に組み込まれた、持続可能性の高い質管理の仕組みが不可欠である。
しかし、保健師活動は地域性や個別性が高いことからも、標準化は困難とされてきた。キャリアラダー研修等の導入により、一定の質担保が図られてきたものの、その効果は限定的である。この背景には、活動記録が叙述的であり記載方法が標準化されていないことによるデータの蓄積が困難な点や、エビデンスに基づく実践を支援するシステム基盤が未整備である問題があげられる。
そこで本ラボでは、保健師活動の継続的な質管理を実現させる仕組みを作ることを目的に、日々の業務に組み込まれた保健師活動記録の活用に着目し、革新的な電子記録システムの開発及び実装戦略を試みる。具体的には、①公衆衛生看護・行政保健師領域における用語の標準化、②標準用語を搭載した電子記録システムの開発・実装研究、を行う。
本活動を通して、主に2点の成果が期待できる。まず、公衆衛生看護・行政保健師領域における用語の標準化を通して、これまで用語が標準化されていないことから、構造的に情報収集を行うことが困難であった、地域住民の健康状態や保健師支援内容のデータを効率よく縦断的に収集が可能となる。次に、本研究で開発するシステムを活用することにより、公衆衛生看護領域の研究を加速し、エビデンスに基づく保健師活動の実践が可能となる。
研究活動計画の概要
■1年目
- 公衆衛生看護における標準用語マスターVol.1を作成
- 標準用語を搭載した電子記録システムである、「保健師活動マネジメントツール」実装に向けた改修
・インターフェースの検討
・標準用語搭載方法について検討
・基本動作とバグ修正
- 典型的な事例シナリオを用いた保健活動マネジメントツールのシミュレーションの実施(研究者、実践者(現場保健師))
・Think-aloud 法(やっていること・考えていることを、その場で声に出してもらいながら作業してもらう観察・評価方法)により、操作中の気づき・迷い・不便さを観察・記録する
■2年目
- 1年目に作成した標準用語マスターVol.1.0を実務妥当性の観点から検証を行う
・使用頻度、選択用語、入力に要した時間の収集・分析
・使いやすかった点、使いにくかった点、不足している用語の確認
- 保健師活動マネジメントツールの少人数の実践現場での検証を行う
・協力自治体より数名の保健師に協力を依頼し、一定期間(3か月程度)、選定した住民の事例について電子記録システムを使用し、保健師活動を記録してもらう
・使用前後の質問紙やインタビュー、事例検討会を通じて活用状況の観察と改修案の検討を行う
■3年目
- 2年目に実施した検証を反映、改定した標準用語マスター Vol.2.0を作成し、保健師向けの用語集(解説付き)及び簡易マニュアルの作成を行う
- 同一自治体の複数人(もしくは保健師全員)による保健師活動マネジメントツールの実践・検証を行う
・2年目の検証に協力した自治体の一部署保健師全員(もしくは自治体保健師全員)に一定期間(6か月以上)、電子記録システムを使用してもらう
・使用前後の質問紙やインタビュー、事例検討会を通じて活用状況の観察と改修案の検討を行う
構成メンバー
| 田口 敦子代表 | 看護医療学部 教授 |
|---|---|
| 宮川 祥子 | 看護医療学部 教授 |
| 石川 志麻 | 看護医療学部 専任講師 |
| 平野 優子 | 看護医療学部 非常勤講師 |
| 加藤 由希子 | 看護医療学部 助教 |
| 吉田 裕美 | 看護医療学部 特任助教 |
| 泰地 可南子 | 看護医療学部 特任助教 |
| 赤塚 永貴 | 健康マネジメント研究科 博士後期課程3年 |