研究の概要へ戻る
背景と目的
システムの特徴
GPS
トータルステーション
デジタル写真測量
システムの構築
アンコール遺跡での利用
計測結果の出力
システムの評価
まとめ

計測結果の出力と図面の作成

本システムでは点、それをつないだ線、面によって線画図面を作成することができる。また、デジタルカメラによって撮影した画像を利用して、画像解析プログラムなどにかけることでオルソフォトを作成することも可能になる。これらはそれぞれにメリットがあり、目的によって使い分けることが必要になる。

線画図面の作成は点と線でつないでいくことによって作成する。この過程では、必要な部分と不必要な部分を見分けて、重要な部分だけを抽出していく作業が必要になる。このような作業では、当然抽出を行うオペレータの主観が入ってくるため、図面作成の目的を良く理解し、その分野での知識や経験を備えてい無ければならない。線画図面の作成では取得した写真から地道に点と線を抽出して行かなければならないため根気の要る作業である。また当然、抽出の過程で失われてしまう情報もたくさんあるが、逆にいえば重要かつ必要な情報だけが凝縮された図面であるといえる。

一方、オルソフォトは計測をした結果をもとに写真を中心投影から平行投影に投影し直したものである。このようなオルソフォトの作成を自動的に行えるようなプログラムは販売されており、線画図面よりも簡単に作成できる。また、取得された画像がそのまま利用されているため、細かいヒビ割れなども含めた全ての情報が保たれている。しかし、画像が作成された目的が明確でないため実際に利用するには使いにくい図面であるとも言える。

点座標の計算

点座標の計測は、ステレオマッチングをして左右の画像上で計測したいポイントを同定していくことによって行う。同定されたポイントが計算され、グローバル座標へ投影されたX、Y、Zの3次元座標として出力される。

ラインの出力

ここまでの計測により計算されているのは基本的に3次元の点座標である。計測は左右の画像で同一点を指定(ステレオマッチ)した「点」に関して行われるので、線や面の3次元座標を直接計算することはできないことになる。ラインはこの計測点同士をつなぐことで構成する。これにより第36.2で計算された各点をノードとする3次元ラインデータを構築できる。図 18は計測を行い、ラインデータを構築しているところである。

計測結果図面の出力

autocad.jpg (26650 バイト)本システムでは、3次元データの表示の部分はCADソフトウェアであるAutoCADによって行った。ここまでの処理により、3次元の座標を持つ「点」と「線」が計算されている。AutoCADでは、この点や線の座標を開発したプログラムから受け取って、リアルタイムに表示することができる。CADに表示された線画図面はDXFなど任意の形式で保存、印刷などができる。図 はAutoCADに表示されたラインデータである。左側のウィンドウは東方向を見たもので、右側は南方向を見たものである。

オルソ画像の作成

取得したデータを計測システムにかけることで、オルソ画像や3次元モデル、コンター画像などを作成できる。下のような本システムで取得した左右ステレオペア画像を利用して、計測用のソフトウェアにかけることで3次元モデルやそれにテクスチャマッピングをした画像を作成することが可能になる。

right.jpg (31988 バイト)left.jpg (27749 バイト)

arrow.gif (9834 バイト)

phon.jpg (37709 バイト)texture.jpg (47543 バイト)