GPSとは
地理情報をはじめとするさまざまな環境データの取得やデータベース化の際には、空間的な絶対位置を正確に取得することは重要な意味を持つ。しかし、グローバルな座標系における絶対位置を知ることは容易でなかった。最近ではこの位置取得にGPS(Global Positioning System)が用いられるようになっている。NAVSTAR/GPS(Navigation
Satellite with Time And Ranging)は米国防総省が軍事利用を目的に開発した衛星を利用した測位システムである。GPS衛星は地球上、高度20000kmの6つの軌道上それぞれ4個、計24個で構成され、約12時間で1周する。利用者は4個以上のGPS衛星からの電波を捕捉することによって地球上の絶対位置をリアルタイムに算出することが可能となる。このため、従来のような複雑な測量作業や地図などを用いることなくグローバル座標での位置を取得することができる。
GPSを利用することの利点
GPSを利用して測量を行う上での最大の利点は、基線なしに基準点を計測できることである。従来、一般的に用いられている測量機器では、最低でも2点のお互いに見通せる位置の分かっているポイント(基線)が必要であり、そこからの位置関係で新しい位置を測量することになる。しかし、途上国や非都市部などの測量においては、あらかじめ基準点網が整備されていなかったり、利用することが難しいことも多く、地球上での絶対座標を知るは難しかった。しかし、GPSを利用すれば、まったく基準点や目印が無い地点でもアンテナを設置した位置座標を直接知ることができる。このため、測量にかかる作業時間が大幅に軽減できる。また、位置座標をリアルタイムに取得できるため移動しながら計測を行うことも可能になる。
また、従来の測量方法では基準点から遠ざかれば遠ざ