6.今後の展望(2002年度へ向けて)
再度クラスタリングを行うということは、レイヤー内において、関係性の強いITEM同士から、関係性の弱いITEM同士へと、なだらかにITEMが配置されることを意味する。
熊坂研ではSPSS社のClementineの他に、同種の自己組織化マップを描くソフトウェアとしてMindWare社のViscovery SOMineを利用している。
このソフトのアウトプットに描かれる、右図のようなマップを参考にすれば、ITEM間にも等高線が引け、レイヤー全体を1枚のマップとして描くことも不可能でないことがわかる。・レイヤー間の関係性
・クラスター間の関係性などの整合性問題は残しているが、これが実現されれば、社会/文化の「島宇宙化」(宮台真司)・「蛸壺化」(福田和也)に対する答えが導き出せるかもしれない。
他のクラスターとの距離関係をいかにして縮約して2次元平面に落とし込むことができるか。あるいは、レイヤー間の軸のズレをいかにして補正するか。これらは非常に困難な課題ではあるが、上述のように、数々の問題点を一つ一つ解決してきた経験からして不可能ではないと考えている。
今回は「マンガ」に限ったが、上述の手法はすべてのジャンルにおいて適用可能な、汎用性の高いものである。
いずれは他ジャンル、またはマルチジャンルにおいても運用し、「カルチャーマトリクスによるライフスタイル分析」の完成に向けて研究を続けていきたい。以上で、2001年度の研究報告を終わる。