次世代Network Service Platformコンソーシム

Next Generation Network Service Platform Consortium

※本コンソーシアムは終了しました。掲載の情報は終了当時のものです

代表者
村井 純
環境情報学部長・教授

目的・活動内容

現在のインターネット接続サービスは、アプリケーションや通信プロトコル毎に特化した機器を用い、それらを連結してパケット処理を行うことで成立している。これらネットワークサービスの運用コストや設備コストは上昇の一途をたどっており、抜本的な解決策が求められている。さらに、今後のインターネットアプリケーションの通信モデルは、WebRTC をはじめとしたユーザ同士の新たな通信モデルや、SPDYやQUICと言ったHTTP2.0を支える暗号化と高速化を考慮された、新たなトランスポートモデルへ移行していくことが予想される。これらに代表される新しい通信モデルに対応するためには、より動的にネットワークサービスを構築・変更できるためのインフラが必要となる。これが本コンソーシアムが研究課題とする、次世代のネットワークサービスプラットフォームとなる。

次世代ネットワークサービスプラットフォームでは、SDN (Software Defined Networking) やNFV (Network Function Virtualization) を要素技術とした、場所やトポロジに依存しないネットワークサービス配置に基づく、新しいインターネット全体のアーキテクチャを実現する。要素技術となるNFVでは、「汎用ハードウェアと標準的な仮想化技術で構成されたプラットフォーム上にネットワーク機能をソフトウェア実装する」ことにより、ハードウェアとソフトウェアの分離を行う。これにより、専用ハードウェアにてネットワークサービスを展開してきた従来型ネットワークと比較して、コストメリット、サービス構築時間の短縮、柔軟性、規模性などの利点を得ることができる。NFVは、ETSIにて標準化が行われており、サービスを連結するためのネットワーク部分に関しては、IETFにおいても標準化活動が行われている。しかし、汎用ハードウェア・仮想化基盤上で展開されるネットワークサービスの品質や性能を担保するためのフレームワーク、これらを統一的に評価検証するための指標や手法の検討、複雑なNFV全体を統一的なシステムとして管理していくためのMANO(Management And Orchestration)のあり方など、普及・展開に向けての実運用をベースとした試験やデータ測定・公開などは未解決の課題が残っている。

本コンソーシアムでは、次世代ネットワークサービスプラットフォームを実現するための重要な要素技術となるNFVを、様々な角度から評価してデータ計測を行い、現段階で実サービス運用に不足している標準化仕様や技術を洗い出す。また、評価を行うためのプラットフォームの効率運用や、実ネットワーク運用に対して必要となるソフトウェアの開発を行い、実ネットワークサービス運用のNFV化を推進する。これら実証実験を通じ、次世代のネットワークサービスプラットフォームの設計と実装、実証実験を行う。

研究のステップ

  1. 現状のNFVに関連する動向のサーベイ
  2. 次世代のアプリケーションに対応した新たなネットワークアーキテクチャの検討
  3. NFVに関係するハードウェア・ソフトウェアの試験プラットフォーム構築
  4. NFVにおいて評価すべき項目の洗い出し、客観的な試験シナリオの定義
  5. NFVにおける資源を表現するデータモデルの定義
  6. 参加各社持ち寄りのハードウェア・ソフトウェアを用いたプラグテストによる性能試験、相互接続性試験
  7. 試験から得られた知見を基にしたNFV管理運用システムの開発
  8. 試験結果のデータ公開
  9. データに基づく標準化提言

構成メンバー

村井 純 代表 環境情報学部教授
コンソーシアムリーダー
中村修 代表 環境情報学部教授
コンソーシアムリーダー(共同代表)
関谷 勇司 SFC研究所上席所員 東京大学情報基盤センター准教授
検証・運用・標準化プロジェクトリーダー
戻る
研究者
研究所に
寄付をする