インターネット・リサーチ・ラボ
Internet Research Laboratory
開設 | 2001年9月1日 |
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代表者 |
概要
SFC研究所では、10年前から全ての人がインターネットに接続しうる社会を目指して研究を行っています。キャンパスは、開発した技術の実証や評価を行うことができるテスト・ベッドとして機能しており、多くの実績が上がっています。しかし、より高速でかつ広範囲にわたるコミュニケーション・インフラとして機能するためには、今後さらなる研究開発の必要がありますし、責任もあります。そのような経緯からインターネット・リサーチ・ラボは、技術が人間と社会にどのように貢献できるかということをテーマに設立されました。
20世紀は論理的な空間における様々な研究を行い、その評価を行った段階とすれば、今は物理的な空間において「実空間のためのインターネット」について考えることが主要な課題です。
例えば、インターネット自動車は、実空間で得られた情報をインターネット経由で集めることで、今まででは考えられなかった様々な可能性を示しています。また、IPv6時代を迎え、グローバルアドレスが前提となるマルチホームやマルチキャストをキーワードにネットワークをどうつくり、実空間上でインターネットをどう使っていくのか、ということに焦点を当てています。
インターネットという研究分野は、企業との共同研究が前提であると考えています。共同研究の中から社会を作り、そこからのフィードバックを受け取り、研究としての側面が強い場合は大学が担い、ビジネスとしての側面が強いものは企業が担う、という形です。また、企業の開発力に加え、学生の発想やアイディア、夢など若い世代の発想やビジョンがどれだけ研究活動に大切かということも認識しています。
目的
インターネットはグローバルな空間を瞬時に越えることから、単なる通信メディアではなく人間社会における時間や空間の考え方に大きく影響するコミュニケーション・インフラです。一方、我々人類はさまざまなメディアを介しコミュニケーションを行うことで、社会生活に必要な情報を流通し、信頼形成や意思決定を行っています。したがって、インターネットが人間の持つ特性や感覚を包含し、より高速でかつ広範囲なコミュニケーション・インフラとして機能することによって、既存の社会システムの持つガバナンス、法律、司法、行政、教育、福祉といった基本的な機能とその役割は見直さざるを得なくなります。このような背景を踏まえ、インターネット・リサーチ・ラボは、実社会とインターネットの融合を目指します。
予想される成果
- 超高速ネットワーク技術の普及及び高度化
- 実空間インターネットの実現
- 法律・制度・ルールの整備
- グローバル空間におけるガバナンス
- リテラシ・学習環境、教育の充実
これらの課題について、技術的側面と社会的側面から研究・開発・提言を行います。
構成メンバー
村井 純代表 | 慶應義塾大学教授: ラボラトリ・リーダー |
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中村 修 | 環境情報学部教授: 超高速ネットワーク技術担当 |
楠本 博之 | 環境情報学部教授: 広域分散環境における同報通信担当 |
植原 啓介 | 環境情報学部教授: インターネットにおける移動体通信担当 |
三次 仁 | 環境情報学部教授: インターネットにおける移動体通信担当 |
バンミーター, ロドニー | 環境情報学部教授: コンピューター・アーキテクチャ担当 |
大川 恵子 | メディアデザイン研究科教授: インターネットを利用した高等教育環境担当 |
杉浦 一徳 | メディアデザイン研究科教授: インターネットを介した情報流通担当 |
タムリン, アフマド フスニ | 政策・メディア研究科特任講師: 衛星インターネットインフラの構築担当 |
キルナム・チョン | 環境情報学部客員教授: 次世代インターネットに関する調査担当 |
武田 圭史 | 環境情報学部教授: セキュリティに関する調査担当 |
斉藤 賢爾 | 環境情報学部講師(非常勤): インターネットを介した情報流通担当 |
佐藤 雅明 | 政策・メディア研究科特任准教授: インターネットにおける移動体通信担当 |
渡部 陽仁 | SFC研究所上席所員: 衛星インターネットインフラの構築担当 |
片岡 広太郎 | SFC研究所上席所員: 衛星インターネットインフラの構築担当 |
※構成メンバーの所属・職位および本ページに記載の内容は、本団体設立当時のものも含まれます。ご了承ください。