医療倫理・医療安全教育研究・ラボ
Medical Ethics & Patient Safety Laboratory
開設 | 2013年7月1日 |
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代表者 |
前田 正一
健康マネジメント研究科教授 |
目的
医学・医療に関する技術は、近年、目覚ましく進歩しています。こうした技術の進歩は、これまででは不可能であった疾病の診断や予防、治療を可能にするなど、人々に多大な利益をもたらしています。その一方で、技術の進歩は、新たな倫理的・法的・社会的課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues)を生じさせています。医学に関する技術の進歩との関係でいえば、ゲノム解析研究に関する問題を一つの例として示すことができます。また、医療に関する技術の進歩との関係でいえば、終末期における生命維持治療の差し控え・中止の問題を一つの例として示すことができます。さらに公衆衛生活動との関係でも、新型感染症に対する予防接種の優先順位の決定の問題など、多くの課題をELSIの例として示すことができます。このような中、近年、生命・医療倫理に関する研究・教育(研究者や保健医療従事者、学生を対象とする教育)が喫緊の課題であることが、これまで以上に指摘されるようになっています。
また、上記のように、近年、医療技術は目覚ましく進歩しています。しかし、その技術は複雑・高度化しています。こうした医療環境のなか、医療従事者不足など、技術の複雑・高度化以外の諸問題とも相まって、わが国の医療現場では、医療事故を防止するために、より質の高い安全管理体制を構築することが重要になっています。また、国の内外を問わず、医療安全活動や事故対応に関する研究・教育(医療従事者や学生を対象とする教育)の必要性が強く指摘されるようになっています。
以上のような状況の変化は、公共政策のあり方の検討をも要請するようになっています。そこで、本研究室は、公共政策のあり方の検討を含む、生命・医療倫理や医療安全等に関する諸課題について、多分野の研究者や実務者、行政職が共同して検討することを目的として活動しています。また、そこで得られた総合的学際的知見を基礎に、関係者に対する教育プログラムを検討し、教育講座等を通じて、その一部を実践することを目指しています。
構成メンバー
前田 正一代表 | 健康マネジメント研究科教授 医事法学、医療倫理学、医療安全管理学 |
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石川 英里 | 健康マネジメント研究科特任講師 公衆衛生、母子保健 |
奈良 雅俊 | 文学部教授 倫理学、医療倫理学 |
山内 慶太 | 健康マネジメント研究科教授 医療政策・管理学、精神医学 |
石塚 彩 | 医学部 医療政策・管理学教室 研究員 国際保健 |
村田 真穂 | SFC研究所上席所員 研究倫理、医療安全管理、口腔外科 |
Jay Starkey | SFC研究所上席所員 放射線医学、医療安全管理学 |
Pierre-Alain Cohen | SFC研究所上席所員 こども虐待診断、放射線医学 |
大村 葉 | 医学研究科 博士課程 母子保健、こども虐待、小児医学 |
田邉 優子 | 健康マネジメント研究科 博士課程 終末期医療、救急・集中治療医学 |
和田 涼子 | 健康マネジメント研究科 博士課程 医療安全管理、麻酔科学 |
※構成メンバーの所属・職位および本ページに記載の内容は、本団体設立当時のものも含まれます。ご了承ください。