■今後の課題
次年度の課題として、大きくは精緻化・汎用化・理論化の3点が掲げられる。
9-1. モデルの精緻化
第1点目の「精緻化」に関しては、それぞれのプロセスにおける、以下の問題点を解決しなくてはならない。
Method_ID 手法 問題点 Method1インターネット社会調査 ・調査項目の網羅が困難
・インセンティブ不足によるリピーターの減少 Method2データクリーニング ・バイアス除去の不完全性
・世代間補正の論理的矛盾 Method3レイヤー分割 ・恣意的なレイヤー分割方法 Method4クラスタリング ・アイテム間得点の計算ルールの恣意性 Method5全体構造の可視化 ・3次元構造の非効果的視覚化 Method7領域規定 ・領域決定の恣意性 上記問題点については、指導教官である熊坂賢次教授はもとより、大学内外の有識者に研究指導を仰ぎながら、解決を図りたいと考えている(予定も含む)。 Method1に関しては、個人での実現は厳しいため、共同研究として、長期計画で進めたい。
Method_ID 手法 改善策 研究指導・共同研究 Method1インターネット社会調査 ・P2Pによるアイテム入力の分散化
・自由通貨の導入によるインセンティブ確保
・自由通過の導入によるデータ入力者の信頼性確保
・解析結果のフィードバック斉藤賢爾氏
有限会社ネクストスケープ Method2データクリーニング ・事後サンプリング
・特定ターゲット限定の分析谷岡一郎教授(大阪商業大学)
桑原武夫助教授 Method3レイヤー分割 ・ジップの法則の適用
・カイ二乗適合検定
・経済理論などの導入小暮厚之教授 Method4クラスタリング ・ユークリッド距離の導入
・収束点(閾値)の発見武藤佳恭教授 Method5全体構造の可視化 ・球面自己組織化マップの導入
・3D画像処理技術の援用徳高平蔵教授(鳥取大学)
脇田玲氏 Method7領域規定 ・判別分析
・領域を目的変数とした決定木の実行古川康一教授
9-2. 汎用性の検証
第2点目の「汎用化」に関しては、以下のデータへの適用によって、その普遍性を確かめたい。
- iMap未解析ジャンルへの適用
「マンガ」「ゲーム」「服飾ブランド」以外のジャンル分析
http://web.sfc.keio.ac.jp/~ond/ken/2004s1/
- iMap以外の調査データへの適用
- 料理レシピサイト「COOK PAD」(http://www.cookpad.com/) …熊坂研・妹尾紗恵がすでに本モデルを適用
- テレビ視聴質調査「リサーチQ」(http://www.rq-tv.com/) …テレビ朝日編成部との共同研究
- 顧客分析, 新車開発「Zoom-Zoomプロジェクト」 …マツダ株式会社R&Dセンター横浜との共同研究
9-3. 社会分析モデルとしての理論化
第3点目の「理論化」に関しては、以下の先行研究レヴューが主に必要とされる。
- 社会階層研究
・SSM調査(http://nik.sal.tohoku.ac.jp/~tsigeto/ssm/)、
・ディスタンクシオン(http://www.fujiwara-shoten.co.jp/book/book004.htm)
・JGSS(http://jgss.daishodai.ac.jp/)
など
- 消費者行動研究
・マーケティング理論研究
・応用多変量解析
・応用データマイニング
など
- サブカルチャー研究
・オタク論
・ポストモダン研究
・カルチュラルスタディーズ
などそれぞれ、所属している以下の学会での発表・交流により、練度を増していきたい。
- 日本社会学会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jss/)
数理社会学会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jams/)
- 消費者行動研究学会(http://www.jacs.gr.jp/)
応用統計学会(http://www.applstat.gr.jp/)
- 日本マンガ学会(http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai.html)
ゲーム学会(http://www.dmic.org/game/)